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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の37「論語」を読む。「道」とはなにか?
バブル再燃の予感に道を問う

江上 剛 [作家]
【第37回】 2013年3月19日
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 ブルース・ウィリス主演のダイ・ハード/ラスト・デイが大ヒットしている。

 映画のコピーがいい。世界一、ツイていない男、運の悪さは遺伝する…。

ツイていない男

 この間、講演会で自己紹介する際、このダイ・ハードをまねて「世界一、ツイていない男です。二度も警察や地検の強制捜査を経験しました。今日は、そのついていないところを少し持ち帰っていただければありがたいです」と自虐的に言ったら、会場が沸いた。

 若い頃の苦労は買ってでもせよ、と言うが、それは間違いだ。苦労なんかしてもロクなことはない。苦労せずに一生を送れる方が、どれだけ幸せなことか。

 苦労が続くと何が悪いと言ったら、「自分はなぜこんな目にあわされるのか」という怨みにも似た気持ちになるということだ。

 東日本大震災が発生して2年になるが、まだまだ復興に程遠い現実を見る時、被災者の皆さんの中には「なぜ自分なのだろう」というお気持ちを抱かれて、苦しまれる方も多いのではないかと同情を禁じ得ない。

 かくいう私も大きなトラブルに巻き込まれる度に、「なぜ自分なのだろう」と怨みを抱き、生きているのさえ苦しくなる。他人の幸せそうな様子を見る度に、その怨みは強くなる。これはキリストだって、ここでとりあげる孔子だって皆、同じだ。

 色々な解釈はあるにしろ、キリストは十字架上で磔になった際「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」(わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか)と叫んだし、孔子は、最も期待していた願淵という弟子が死んだ時「噫(ああ)、天予(われ)を喪(ほろ)ぼす。天予を喪ぼす」と身も世もないほど嘆き悲しんだのだ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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