東京都心部で働くママの怒りが頂点に達しようとしている。

 この春、認可保育園に申し込みをしたが、多くの子どもの入園がかなわなかった。そこで、親が抗議の声を上げているのだ。杉並区、大田区、渋谷区などで行政不服審査法に基づく意義を申し立て、保育園増設などを訴えた。

 保育園問題に熱心に取り組む山田耕平・杉並区議(日本共産党)は「杉並区は予測ができなかったというが、他の区に比べても認可保育園の設置に消極的でこの状況は起こるべくして起こった」と批判する。

 待機児童問題と聞いても、東京都心などで子育てをしていない人にとっては、あまりピンとこないかもしれない。そこで、小学校入学前の子どもを受け入れる施設にどのようなものがあるか、解説しよう。

 まず大きくは、保育園と幼稚園にわかれる。幼稚園は基本的には保育園に比べて子どもを預けることができる時間が短い。つまり、共働きのケースでは保育園の利用が大多数となる。

 さらに、その保育園も大きく分けて、認可保育園と認可外保育園がある。認可保育園は国と地方自治体により補助金が出るため、施設や人員などが認可外保育園に比べて恵まれていて、親の支払う保育料も安い。

 ただし、認可外保育園の中には東京都の独自基準「認証保育園」のように、一定の補助を受けているケースもある(認可保育園よりは少ない)。

 しかし、総じて、認可保育園に比べて、設備、人員、保育料という面で劣る。認可保育園には都心部ですら園庭がある園は珍しくないが、一方の認可外保育園は補助を受ける認証保育園ですら雑居ビルの一室に入居するものが多い。

 そこにすし詰め状態で子どもが遊んでいるため、地方出身の親がその様子を初めて見たときにはショックを受けることもあるほどだ。それでいて、認可外保育園の保育料は月に10万円近くかかるケースもある。認可保育園は子どもの年齢や親の状況によってかなり異なるが認可外保育園よりは安い。