3%から5%に上がった時はどうだったのか?

 消費税が3%から5%にアップしたのは1997年4月1日です。下のグラフを見ればわかりますが、1997年から1998年にかけて住宅の価格はむしろ下がっています。このグラフは2001年1月を100とした時の住宅価格指数です。これを見るとバブル崩壊後の1993年から2004年まで一貫して下落し続けています。

 この時も、消費税が上がるのを前に「駆け込み需要」を喚起し、マンションを売ったのです。5%になったら消費税分値上がりするかのように導きました。しかし、結果は全く違ったものとなったのです。

消費税アップよりもアベノミクスに注目せよ

 2012年12月に政権交代が起き、自民党の安倍政権になりました。そしてアベノミクスと呼ばれるリフレ政策になり、インフレ目標が設定されるなど経済政策が大きく変更になりました。

 そのとたんに特に富裕層中心に不動産が動き出しました。銀行のローン担当にはローンの相談件数が増えたそうですし、どのデベロッパーに聞いても動きはよくなっているそうですし、知り合いのどの不動産業者に聞いても動きだしているとの話ばかりです。
 また、平均1億円程度のとある物件では「とにかく抑えたい」というような買い方をするお客様も現れ始めました。

 バブル崩壊後このような動きが顕著なのは初めてのことです。これまでも、何度か市場回復の兆しはありましたが、ファンド系だけの回復など局地的なものばかりでしたが、今回はちょっと様子が違うと感じています。

 今回のアベノミクスは株や不動産が値上がりしやすい資産インフレにつながるとも言われています。富裕層はその辺を見込んで先回りして不動産を買いにきているようなのです。実際に株価の方も、日経平均株価が4年半ぶりに12,000円台を回復するなどかなりの回復を見せています。政権交代があった時から考えると約25%程度も上がっています。

 マンションの価格は株価の半年遅れの動きをするとマンション業者の間では言われていますが、このような動きから先行きを読むとインフレターゲットで設定している2%どころの上昇ではないということになります。

消費税率よりもこのような動きをどう考えるかのほうが、マンションの価格動向を考える上では遥かに重要なのです