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フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグが新著で語る5つのマインドチェンジ

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第9回】 2013年3月25日
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 キャリアははしごと言われますが、その考え方はもはや当てはまりません。2010年のデータによると、平均的なアメリカ人は18歳から46歳の間に11種類もの仕事をします。日本でも、一社で働き続ける人の数は減少傾向にあり、厚生労働省の調査によると、大学卒業後3年以内に会社を辞める人は28%にのぼります。これが意味するのは、ある一つの会社に入って、その会社にとどまり、その会社のはしごを登るという時代は終わったということです。

 はしごだと、上に行くには一つの方法しかなく、自分の上にいる人を見ながら進むことになります。ジャングルジムならば、上に行く方法は多数あります。この考え方はあらゆる人にとって有効な考え方ですが、特に女性にとって有効です。女性はキャリアをスタートし、外的な障害で壁にぶつかったり、一定期間休みを取った後にまた仕事に復帰することがよくあります。ときに横に行ったり、下に行ったりしながら、上を見ていけばいいのです。

その2 笑っていれば気分が明るくなる

 自信が持てないときの戦略として、ときに自信があるように見せかけることも大切だとサンドバーグは言います。彼女は1980年代にエアロビクスのインストラクターをしていましたが、自信がなかったり、やる気がもてないときでも、1時間笑っていると、徐々に気分が明るくなってきたとか。“fake it till you feel it”(その気になるまで嘘をつけ)戦略です。

 この戦略を裏付ける生理学的な研究もあるようです。腕を広げたポーズを2分間維持すると、男性ホルモン(テストステロン)のレベルが上がり、ストレスホルモン(コルティソル)のレベルが下がります。自信を持つことは大切で、自信があるふりをするだけでも、それを本物にする機会をつかむことができます。

 サンドバーグはグーグルで働いた際に4000人の採用をしましたが、ポジションが空くと男性のほうが積極的に手を挙げ、女性は自信がないと手を挙げず、結果として昇進が遅れることがよくあったそうです。

 「それが得意なことかどうかわかりません」「これまでやったことがありません」「今の仕事でまだまだ学ぶことがたくさんあります」という言葉を数々の女性から耳にしたものの、男性から聞くことはめったにありませんでした。

 自信を持てなくても、笑ったり、自信があるようにふるまうことは、ときに欠かせないということなのでしょう。

その3 ロケットの座席をオファーされたらまずは乗る

 サンドバーグはサマーズ米財務長官のもとで4年間働いたときに、テクノロジーがコミュニケーションの方法を変え、アメリカだけではなく、多くの先進国で人々の生活を変えている姿を目の当たりにしました。クリントン政権が終わったときに仕事を失い、就職活動をしようとシリコンバレーに移ることを決めました。ただ、2001年でちょうどネット・バブルがはじけた頃。その影響は大きく、仕事を見つけるまでに1年かかったそうです。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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