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フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグが新著で語る5つのマインドチェンジ

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第9回】 2013年3月25日
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 財務省で働いていたときに出会っていたエリック・シュミットが、グーグルのCEOになったので会いに行ったところ、その後何時間も話をすることになり、グーグルへの入社をオファーされました。ただ、その仕事とは、グーグルで最初の事業部長だと言われましたが、実際には、当時のグーグルには事業部はなく、マネジャーの仕事などありませんでした、一方で別にオファーされていた仕事があり、そこでは一緒に働くチームが用意されていました。

 そのことを悩んでいてシュミットに相談すると、仕事を選ぶ際に必要なのは「速い成長」だとアドバイスされました。組織の成長が早いときは、人がこなしきれない多くのことが存在する。成長が遅いときは、やることがなく、人は何もすることがなくなる。「ロケットの座席をオファーされたら、どのシートかなど聞かず、ただ乗るんだよ」と言ってくれたとか。

 そのアドバイスによって、職責やタイトルよりも、速い成長や会社のミッション、成長の可能性をキャリアを選ぶ際に重視するようになったと書いています。変化の激しく、大きなパラダイムシフトが起きている今のような時代には、成長の早い産業を選ぶ、ロケットの座席を用意されたらまずは乗ってみる、そんなマインドチェンジが必要なのでしょう。

その4 正直なリーダーになる

 リーダーシップのあり方も変わりつつあり、conscious leadership(気にかけるリーダーシップ)という考え方が浸透しています。効果的なコミュニケーションは、自分と相手にはそれぞれの見方があることを理解することから始まり、聞く能力は話す能力と同じくらい大切です。

 サンドバーグは、フェイスブックに入ったときマーク・ザッカーバーグに毎週フィードバックをくれるように、不快に思ったことがあればすぐに話すように頼みました。すると、彼もすぐに同意し、逆に自分にも同じことをしてほしいと言われたそうです。

 リーダーは、ときに自分の弱みについてもオープンに話すことも必要です。涙を見せることを悪いことと言う人もいますが、それが当てはまらないこともあります。フェイスブックで勤めて1年くらいたったとき、かなりひどいと思われることがあり、それをザッカーバーグに話すと自然と涙が出てきて、彼がハグしようかと尋ねてきたので、自然にお願いすることになりました。

 感情を分かち合うことでより深い関係をつくることもあります。他の人を本当に理解するためには、彼らが何が好きで嫌いか、考えること、感じることを理解する必要があります。本当のリーダーシップは、正直にそしてときに不完全な形で表現された個人から出てくるもので、完全であることよりも正直であることを選ぶほうがよいという結果も、ある調査で出ています。

 正直であることはこれからのリーダーに必須と言えるのです。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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