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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

ITコストだけは低く、総コストは世界一高い日本企業を変えるために必要なこと――リアルタイム・ビジネスを支えるITの作り方

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【最終回】 2013年3月27日
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 不定期で連載をしてきたこのコラムも、今回で最終回となりました。
 最後は、タイトルにふさわしく、リアルタイム・ビジネスの重要性と、それを支えるITの作り方について考察をしてみたいと思います。

 リアルタイム・ビジネスで、私が大切だと思っていることは、3つです。

 1. テクノロジーにこだわること
 2. ITをコストとして考えないこと
 3. データと現場にこだわること

1.テクノロジーにこだわること

 最近、『リバース・イノベーション』(ビジャイ・ゴビンダラジャン, クリス・トリンブル (著))、という本を読んだのですが、示唆に富んでいて、大変面白かったです。
 この本の主旨は、「先進国で売れた製品やサービスは、数年後に必ず発展途上国でも売れる」というグローカリゼーションは、最早、幻想であるというものです。
 その理由は、驚くべきITの進化にあり、30年前の先進国のニーズを当時の技術で解決をした製品を、周回遅れで発展途上国に展開したとしても、受け入れられない。今の発展途上国のニーズを先進のITによって解決する商品やサービスを提供しない限り、絶対に生き残れない、それほど、ITの進化は環境を変えてしまっているという、とても的を射た論を展開しています。

 この本に載っている事例ではないのですが、有名な「インドの洗濯機」の話はご存知でしょうか?インドでは、停電が多発する、でも、日本の高性能な全自動洗濯機は、停電が起きると、最初に戻って、また、給水から始める、つまり、インドでは永遠に洗濯が終わらないことになってしまいます。それに対して、サムスン社は、超小型バッテリー内蔵メモリーチップを搭載することでレジューム機能を実現して大ヒットしたという有名な事例です。

 これは、後述する「現場にこだわること」にもつながるのですが、ここではそれよりも、「ITの進化は、新たなニーズとその解決方法を、異なる進化形として生み出す」と認識しておくことが重要だと思っています。

 このコラムでも書いてきたリアルタイム・ビジネスを実現するためのテクノロジーの事例は、ほんのわずかな期間に、既に実用化され、また進化を遂げています。

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安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。


現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

グローバル経済のなかで地盤沈下の進む日本。再びIT先進国として飛躍するためには、ITをビジネスの武器とする発想が必要だ。ビジネスは現場が肝心。現場の意思決定のスピードアップなど現場力向上に先端ITをどう生かしていけばよいか、IT業界のフロントランナーがわかりやすく解説する。

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