日本の「失われた3年」

先月の当レポートで、過去3年は日本の「失われた3年」とした。図表1は過去15年にわたる日米独株価指数の推移である。1990年代の日本のバブル崩壊局面においても、長期にわたり、日本株は他の主要株式市場である米・独と連動した動きにあった。

 しかし、2009年半ば以降、日本株だけが出遅れた状況にあった。過去3年余り、これだけの乖離が生じるということは、海外投資家を中心にインデックス対比で大幅なアンダーウェイトが続いたと考えられる。それだけに、その水準の修正が生じれば想定以上の株高も生じる。

 さらに、「失われた3年」として、①「為替市場の失われた3年」、②「日米関係の失われた3年」、③「政官財の絆の失われた3年」とした。日本は東日本大震災も含め「ジャパンペシミズム」の状況に陥ったなか、海外では日本もようやく「普通」に戻るとの意識が大きい。

今回の安倍政権が「持っている」のはなぜ?<br />アベノミクス旋風に乗って脱“失われた20年”も視野に<br />――高田 創・みずほ総合研究所 チーフエコノミスト