日本の歴史から読み解く
「失敗の本質」から「成功の本質」への回帰

 昨年出版した拙著『「超」入門 失敗の本質』では、日本的組織論の白眉である『失敗の本質』から、現代日本に共通するエッセンスを導き出しました。名著『失敗の本質』は約70年前の、大東亜戦争における日本軍の作戦を精緻に分析したベストセラーです。

 今回の連載ではさらの70年遡り、約140年前の日本の歴史的勝利である「明治維新」を当時の国民的ベストセラーである、福沢諭吉の『学問のすすめ』を通じて分析し、日本という国の「成功の本質」を描き出すことを目標としています。

 当時の日本で文明開化を目指した諭吉や、維新に奔走した幕末の志士達は無為無策のままで時間を過ごしたわけではありません。彼らを含めた無数の日本人が危機に奮い立ち、望ましい未来をつくるために行動したからこそ、歴史の偉業が成し遂げられたのです。

 幕末以降から現代に至るまで、日本の飛躍は大きく2つあると言われています。一つは明治維新後に、極めて短期間に先進国へ追い付いた幕末明治初期。もう一つは300万人以上が亡くなった敗戦以降、わずか20年程度で経済大国に成長した戦後日本の高度成長期。

 この国の失敗の本質が存在するのなら、当然成功の本質も存在するはずです。過去2回の大飛躍である明治維新後と、戦後の高度成長。この2つの隠れた共通点を見つけることができれば、それは「日本の成功の本質」と呼べるものかもしれないのです。

 140年前、幕末明治の日本の大飛躍を生み出した奇跡の書『学問のすすめ』こそが、この隠れた共通点を見破る鍵となる存在だと言えるのです。(第2回に続く)※4/2掲載予定です


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