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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

成長とは資金の余剰ではなく不足を意味する

上田惇生
【第149回】 2009年7月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「ベンチャーの挫折の原因はいつも同じである。第1に、今日のための現金がない。第2に、事業拡大のための資金がない。第3に、支出や在庫や債権を管理できない」(『チェンジ・リーダーの条件』)

 財務上の見通しを持たないことは、成功すればするほど大きな危険となる。

 製品やサービスで成功し、急成長する。増益とバラ色の見通しを発表する。株式市場が目をつける。ハイテクなど流行の分野であれば大きな注目が集まる。ところが1年半後に挫折する。

 ドラッカーは、ベンチャーの起業家が金に無頓着であることはあまりないと言う。彼らは、きわめて貪欲である。利益を重視する。しかし、それは間違った態度である。

 利益は、結果としてもたらされるものであって、最初に考えるべきものではない。利益よりも現金、資本、管理のほうが大事である。

 成長には栄養が必要である。成長とは、資金の余剰ではなく、資金の不足を意味する。成長は、余剰の発生ではなく、債務の発生と現金の流出をもたらす。ベンチャーは、成長が健全であって速いほど、より多くの資金上の栄養を必要とする。

 常に1年先を見て、どれだけの資金が、いつ頃、何のために必要になるかを知っておかなければならない。

 「ベンチャーの本質からして、機会がもっとも大きくなるときが、資金繰りがもっとも苦しくなるときである」(『チェンジ・リーダーの条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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