人によって痩せるダイエット法は違う

 隣人が成功したダイエット法を実践したとしても、必ず自分が痩せるとは限らない。

 去年の夏、「きゅうりを毎日7本食べ続けたら痩せた」という男性が、周りにもきゅうりダイエットをすすめていた。食事内容は普段と変えないままで、きゅうりをただ食べ続けるのだという。なんて魅力的な話だろう!と後に続いた女性がいた。結果、どうなったか。その女性は、冷え症が悪化しただけで体重は全然落ちなかった。

 なぜこのように結果に差が出てしまったのだろうか?

 男性がダイエットに成功したのは、きゅうりそのものの特殊な力のせいではない。肉食で全体的に食事量が多く、太り気味だったこの男性の場合、今まで不足していた野菜を摂ることでバランスが整い、痩せやすい体になった。だが、炭水化物に偏った食事スタイルを続け、タンパク質不足が原因で体重が増えてしまっていたこの女性の場合、きゅうりを足すことが痩せやすい体づくりにはつながらなかったのだ。太った原因が違えば、解決法が違う。それが、私が普段から、自分の栄養バランスの過不足をチェックすることが大事、と言い続ける所以だ。

 ダイエット成功の極意は、ちょっとした情報に振り回されて、自分の中の「需要」と「供給」を間違えないこと。そして、ダイエット成功の敵、ストレスを回避すること。ストレスといえば、節制や我慢、といったものが思い浮かべるかもしれない。だが、実際にダイエット中のクライアントを傍で見ていて感じるのは「痩せなくてはならない」という、自分の心がつくるストレスだ。そのプレッシャーから生まれる極端な手段は、過食やリバウンドの引き金となるばかり。

 ダイエットを成功させる上で大事なのは、やり方以前に、スタンスだ。

「続かない」「リバウンド」するのは一体なぜ?

 先日、以下の読者アンケートを実施した。

Qダイエット経験者の方に伺います。ダイエット中やその後に困ったことはありますか?(複数選択可)

続かない      50.0%
なかなか痩せない  28.6%
体調を崩しやすくなる 7.1%
リバウンドをした   35.7%
その他 21.4%

 結果、半数が「続かない」と回答している。さらに、「失敗したダイエットは?」との質問には、断食、昼抜きダイエット、カロリー制限、お茶置き換えダイエット、サラダだけダイエット、など、極端な回答が目立つ。