ベトナム 2013年4月2日

能力は同じなのに給料が4倍も違うことがある。
ベトナム人と現地採用日本人の間に存在する賃金格差

日本で15年間の編集者生活を送った後、ベトナムに渡って起業した中安記者が、ベトナムで働く外国人と、現地のベトナム人の賃金格差についてレポートします。

給料格差=能力の差ではない実情

 「ベトナムの魅力は安価な労働力」

 私自身もよく使うこのフレーズだが、口にするたび、目にするたびに、少し複雑な心境になる。

 日本に住んでいる日本人の給料より、日本に比べて遙かに物価が安いベトナムに住むベトナム人の給料のほうが安いのは、ある意味で当然だ。しかし、ベトナムに住む日本人とベトナム人を比べても、その給与水準には大きな格差がある。

 例えば今、ホーチミン市で人を採用する場合、4年制大学卒、流暢でなくても、一応英語で仕事ができて、パソコンも一通り使えるというベトナム人なら、月給250~300ドルくらいになるだろう。一方、現地で同じレベルの日本人を採用したらどうなるか。月給は最低1000~1200ドルは必要だ。その差は約4倍。

 こういう格差が存在するのは、日本人だけではない。いわゆる「先進国」と言われる国々からベトナムに働きに来ている外国人の給料は、ベトナム人に比べ相当高い、というのが一般的だ。

 これで両者の「実力の差」も4倍あるのであれば、問題はない。しかし私が見る限り、給料の差ほど実力の差はない。実力が同程度の場合なら、外国人の給料のほうが高くなるし、中には実力はベトナム人社員のほうが明白に上なのに、給料は外国人社員のほうが高い、という例ある。

 私自身、自社で働いているベトナム人社員の平均給料の4~5倍の収入があるが、時々、「自分は、本当にこの給料に相応しい働きをしているのだろうか」と考え込んでしまうことがある。

 どうしてこういう格差が存在するのだろう?

衣食住に見る格差(1)我が家の近くにある仕立て屋さん(写真上)。ベトナムの庶民はこういう店に布地を持ち込みオーダーで服を作る。妻によると「既製品を買うより安い」そうで、だから私の服もオーダーメイドが多い。一方、世界的なブランドショップも数多く出店している(写真下)【撮影/中安昭人】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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