営業マンが売りたくないお客になってはいけない

 営業マンに誘導されないタイプになるには、営業マンが売りたくないお客様にならないようにすることが重要です。
 マンションの営業を日々やっていると人間不信になりかねません。しょっちゅうお客様に裏切られるからです。そしてそれもだんだんパターンがあることに気づきます。それが営業マンとしての成長なのかもしれません。そして自分のお客様が裏切りのパターンに分類されると「できれば売りたくないリスト」に入れられてしまいます。そうなると、人気物件を欲しい時に手に入れるのが難しくなります。営業マンが他のお客様に買ってもらおうとするからです。

1.嘘をつく人
 あたりまえすぎますが嘘をつくことは止めてください。ひとつの嘘が全ての情報の信頼性を損なってしまうからです。特に年収や自己資金に関する情報、職業に関する情報は命取りです。意外に多いのが自宅住所を偽って書く人です。おそらく営業マンにアポ無しで訪問されたりダイレクトメールがバンバン送ってこられたりするのがイヤで書くのでしょうが本気で検討するなら避けたい嘘です。訪問やダイレクトメールがいやならその旨をしっかり伝えればまともな会社なら対応します。それでもやってくる会社なら顧客志向でない会社ということが買う前にわかってよかったと前向きに考えてはいかがでしょうか。
「嘘はバレたら終わり」だと心得ましょう。

2.意志薄弱な人
 あまりに多くの物件を見ている人は意志薄弱に分類されます。たまたまメガネにかなう物件がなかったかもしれませんが、「決めきれない人」という風にみられます。もし自分見られる可能性があると思ったら、欲しい物件に巡り会った時に。いままでの物件はこういう部分がダメだったけれど、今回の物件はそれが違うのでやっと巡り会えた、決断できた、ということをしっかり伝えましょう。そうすれば少し信頼が回復できます。

3.隠し事をする人
もっとも多いのが、既存借入れを隠すパターンです。そしてこれは例外なく営業マンに対して隠しているだけでなく、配偶者に対して隠しているのです。夫や妻に隠れての借金は、思いのほか多くて驚きます。金融機関の審査で必ずバレるのですが、意外と黙っていればわからないと勘違いしている人が多いので注意して下さい。
 金融機関も守秘義務があるのではっきりしたことは営業マンには言わないのですが、こちらからみてほぼ大丈夫だと思っていたお客様の事前審査が通らないときはほとんどが申告してない借金があったケースばかりなので予想はつくのです。金融機関の人に「なんか借金あったのですか?」と質問すると「言えませんが、察して下さい。」と答えが返ってきます。その場合は100%クロなのです。その後、営業マンから質問すると「すみません隠していました!家内も知らないので黙っていて下さい。」となるのです。それで検討中止するか、家族に打ち明けて借金をきれいにして購入するか、隠したまま親に泣きつき借金を返して購入するかその後の行動は様々ですが、いずれにしろスムーズな取引にはならないので営業マンとしては始めから話してもらいたいものです。

4.クレーマーのにおいのする人
 あまりに細かく、常識の範囲を超えて、なんでもケチをつけてくるお客様は本当に売りたくありません。とにかく相手にしたくない。信頼できない、契約後も思いやられると感じたら、他の住戸に誘導するどころか基本的には購入を辞退していただくよう、全力を尽くしてしまいます。しかしながら、露骨にやるとこれはこれでクレームになるので、ご自分で辞退していただくよう全力を注ぐことになります。この気配を察知したら定価でも売りたくありません。論外なお客様です。


 4つほど例を出しましたが、このように信頼できないお客様にはならないで下さい。他のお客様がいれば絶対に信頼できる人に買ってもらいます。営業マンが取引のパートナーだと思えばこのような行動には出ないと思います。
 営業サイドからみて信頼できる人でないと売るのは不安ですし、引き渡した後アフターサービスの相手としても信頼できない人には売りたくないのです。特にクレーマーは最悪です。もちろん大半の人は信頼できるのですが、信頼できない人も一定割合でいることも経験則としてわかっているので、基本的に性悪説でお客様を見る部分があるのです。性悪説というよりは、まずは疑いから入るといったところでしょうか。
営業マンとの信頼関係は、希望条件や、借入れに関する事項を包み隠さず話すことです。都合が悪そうなことはむしろ積極的に相談することが第一歩です。その上で第一希望住戸への購入意志をしっかり伝えればそれが手に入る確率が高まるのです。


次回は、「ありえないような値引きマンションは存在します。その見つけ方」

次回第4回は、4月17日更新予定です。


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