山口 僕も従業員を抱えていたんですけど、リーマンショック後に売却を迫られたときに、家入さんとは逆の決断をしました。自分自身では彼らを雇い続けるのが難しくなっても、最後まで守り抜かなければならないと思いました。それで、いくつかオファーがあったのですが、その中から選んだのは従業員ごと受け入れてくれるという条件を提示したGMOクリック証券だったんです。

経営者と従業員の関係は「庇護」か「対等」か?<br />「お金による繋がり」へのスタンスはそれぞれ異なる

 というのも、僕が30歳のとき、「従業員を背負うか、家族を背負うか、どちらかを選べ!」と言われた影響が大きいです。僕は、従業員を背負うことにしました。僕にとって会社経営のモチベーションのひとつは、自分の力で何人の社員を雇えるのかということだったんです。

家入 昔の旦那さんみたいな感じですね。自分の敷地に何人の使用人を雇えるのかで甲斐性が決まるみたいな……。僕のほうは、お金を通じた繋がりの脆さを痛感したのがキッカケで、もう相手に求めるのは止めようと思うようになりましたね。そして、「お金の関係ではない組織って作れないかな?」とも考えるようになりました。

(後半へ続く)
次回は4月8日更新予定です。


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人は、経験を通して世界を創造する。
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