4月に入り、企業の採用面接が本格的に行われはじめています。

前回は、「面接で話を“盛る”学生と“突飛な質問”をする企業」についてお話しました。そして、そのような学生と企業が生まれる原因の1つとして、「日本の採用活動が面接に比重を置きすぎている」ことがあり、さらにそれを回避するためにも大学での成績を活用することが重要である、と説明しました。

 一般的に文系学部では信用度があまり高くない大学の成績ですが、実は成績の構造を理解すると採用面接で活用できることが数多くあります。そこで今回は、意外と知られていないその方法をご紹介したいと思います。

大学の成績を活用すれば
「しなくてはいけないこと」への姿勢が見える

 そもそも現在行われている採用面接の場では、どのようなことが話の題材になっているのでしょうか?

 その学生が今まで頑張ったことやアルバイトでの経験、資格取得での勉強、留学経験など、その本人にしか語れないことについて聞くことが多いかもしれません。しかしそれは、学生にとっては、誰かに強制されたわけでもない「したいこと」ですよね。自分で望んで選択し、挑戦した出来事がほとんどです。

 つまり、企業側が、学生の「したいこと/したかったこと」について聞いているので、自信を持って語る学生が多いかと思います。

 その一方で、学生の本分である、大学での学業についてはどうでしょうか。もちろん授業に出て、ちゃんと単位を修得して初めて卒業見込みが出るわけですから、その間の学業に対する取り組みがどうだったのかは非常に重要な点です。

 つまり、「したいこと」ではなく、「しなくてはいけないこと」について学生時代にどう行動していたのか。ここをしっかりと見極めていくと、その学生の普段の姿勢や行動が分かり、入社後にどのような人材になっていくかが見えてくるかもしれません。