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4月2日 18時0分
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円高は続くのか?〜再び好機到来〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

為替市場でドル円は93円前後まで円高が進んでいる。3月初旬の雇用統計改善の後、96円台半ばまで円安が進んだが、それ以降キプロス発の欧州への懸念などが浮上し、円高の材料とされている(グラフ参照)。



ただ、自称専門家などがよく口にする「欧州債務問題で円高が起きる」という説は意味不明である。実際には、2012年11月以降の円安が急ピッチに進み、欧州懸念を口実にしたポジション調整が起きているとみられる。また、3月26日レポートで紹介したが、今後円安が続くとしても、これまでのような急ピッチな円安はさすがに期待し難くなっている面もあるだろう。

ところで、ほぼ1ヶ月前の2月25日に、イタリアの総選挙において中道右派勢力が過半数を占めるとの「サプライズ」で、ドル円は一時90円台まで円高に動いた。この時の 2月26日のレポートで、「ドル円のトレンドは日本銀行の今後の金融政策次第」とお伝えした。

結局、前回のイタリアの政局混乱を材料とした円高は絶好の押し目買いのチャンスだった。これ以降、イタリア発の混乱とほぼ同じタイミングで誕生した黒田新総裁が率いる日銀による金融緩和への期待や、米国を中心とした世界経済の回復を背景に、ドル円は96円台半ばまで大きく円安が進んだ(グラフ参照)。



アベノミクス発動による、日銀の金融緩和強化が、円安をもたらしたわけである。この構図が変わっていないなら、最近3週間の円高の動きは、日本株や外貨資産の押し目を拾う機会が、再び到来しているということになる。

さて、4月4日(木)の昼過ぎ(あるいは夕方)に結果が公表される、黒田体制による最初の金融政策決定会合に、市場の注目が集まっている。既に黒田総裁は「できることは何でもやる」と決意を示しており、かなり市場の期待が高まっており、専門家ではない為替コメンテーターまでが、想定される金融政策のメニューを解説する状況に至っている。

こうした状況をうけて、「よほどのサプライズがないと、ドル円は円高に動く」というのが、メディアで報じられるコメンテーターの一般的な意見だろう。このため、「ETFやリート購入積み増しが実現しないと期待外れ」と、極端な政策オプションが語られるなど、やたらハードルが高まっている面がある。

筆者は、現在FRBと同様な、(1)長期国債を中心とした大量購入(4〜5兆円毎月国債を積み増し,更にベースマネー拡大が目標となる)による金融緩和強化が採用され、(2)+2%物価目標実現を目指し金融緩和を継続する方針が明確になる、が今回の金融政策決定会合で決まると予想している。

現行の資産買入れ基金の枠組みへの対応、あるいはETF・リートなどの小規模な資産購入が実現する可能性もある。ただ、これらの小規模の資産購入は、金融緩和拡大による予想インフレを高めることに直接つながらないため、余り重要な政策手段ではない。これらの資産購入は、せいぜい白川体制で実現したのと同程度の購入金額に止まる程度だろう。

筆者の想定どおりの、「奇をてらわない」国債購入を中心とした大規模金融緩和だと、4月4日の会合直後などは「物足りない」と、市場が反応する可能性もある。ただ、金融緩和を頑なに拒否していた白川前総裁らと、正反対の考えを持つ黒田総裁・岩田副総裁が、政策決定会合の議論をリードすれば、こうしたオーソドックスな決定が実現するのではないか。国債の大量購入による金融緩和の強化が、物価目標+2%の早期実現の最善の手段である。

デフレ放置を続けていた日本銀行が、黒田総裁のもとでデフレファイターに生まれ変わることが認識されれば、仮に「想定内の対応」でも、ドル円相場における円安要因になる。リーマンショック以降続いていた、日本銀行による量的金融緩和の規模が圧倒的に劣っていた状況が、超円高をもたらしてきたわけであり、それが変わる影響は決定的に大きいのである(グラフ参照)。



なお、今起きている円安進行は、未だに円高是正の過程が続いているに過ぎない。未だに、購買力平価などの観点などから依然「円高過ぎる」状況にあり、早期の脱デフレを実現するためには、更に円高が是正される必要があるだろう。

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(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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