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父と娘の就活日誌

採用する会社側の事情を知っておく

――就活のルールは受験とは違う

楠木 新
【第22回】 2008年3月26日
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 一昨年からA金融機関で、東京の私立大学の採用責任者を務めるS氏(入社19年目)との会話。彼とは、この連載が縁で知り合い、お話をうかがうことができた。

「『父と娘の就活日誌』に興味をお持ちいただきありがとうございます」

S氏「就活が、父と娘が語りあう機会になるなんてチャーミングですよ(笑)」

「Sさんが、入社の頃と比べると、新卒採用は変わりましたか?」

S氏「一番の違いは、リクルーターが人集めするやり方から、エントリーシート(ES)を提出する応募制に変わったことでしょう。それ以外は、10数年前と変わっていません」

「応募が多いので大変でしょう。選別にESは使うのですか?」

S氏「私の採用枠20名に対して、数百枚のESが来ます。ただ私のチームは、ESでは選別しません。面接に使うのが中心です」

「どのようにして対象者を絞り込むのですか?」

S氏「リクルーターの陣容は限界があるので、1対3の面接やグループでの面談を繰り返し、それを予選にして、SPI試験を実施してから個人面接に入ります。その時点で募集人員の数倍まで絞ります。その間2週間かかります。」

「採用責任者(ヘッド)は、いつから経験されていますか?」

S氏「今年で3年目です。リクルーターは新入職員時代からやっていましたが、ヘッドになると全然違います」

「何が違いますか?」

S氏「自分に最終権限が任せられているので、採用枠を“いい人材”で埋めたいと強くこだわりますね。所属からリクルーターをかき集めたり、彼らのモラル維持もやります。また内々定の後が本当の勝負ですしね」

「そうですね。内々定は5合目ですから(笑)。権限の反面、説明責任も負うでしょう。『何年入社の○○大学卒業生は、Sさんの責任』はついて回りますか?」

S氏「最近は若くて退職する人が多くなったので、『採用ミス』といわれるプレッシャーは、少なくなっています(笑)」

「時代の流れですね。Sさん自身の採用での目標は?」

S氏「いろいろなタイプの人材を採りたいですね。でもこれは楠木さんもお分かりのようにすごく難しいのです。どうしても自分の色や好みは出ますからね。」

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楠木 新

金融機関に勤務するかたわら、「働く意味」をテーマに執筆、講演などに取り組む。12万部を超えるベストセラーになった『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『就職に勝つ!わが子を失敗させない「会社選び」』(ダイヤモンド社)など著書多数。近著に『人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(東洋経済新報社)がある。


父と娘の就活日誌

働く価値観が多様化する中、超売り手市場の環境下で、大学生はどのように企業選択をしていくのか。就職活動に臨む大学3年生の娘と父とのリアルな対話を通して、実状に迫る。

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