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新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

小田原市のマラソン大会で替え玉ランナーが優勝
不正と処分とその後の人生

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第26回】 2013年4月5日
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 日本で初めて消費税が導入された一九八九年四月一日、私は取材で博多にいた。
 思い起こせば、あの年が平成元年だった。もう四半世紀も前なんだね。

 前の週までは、消費税が導入されたら日本はどうなるかという大特集でてんやわんやの〆切作業を終え、その週からは通常の進行に加え、ゴールデンウィーク合併号の準備が重なるというタイトな時期でもあった。

 それでも、週刊誌の仕事をしていると、一年のうちでもっとも充実する期間のひとつでもある。当時、記者一年生だった私が担当したページなどは軽いものだったが、それでも大抜擢で、池永正明さんと永易将之さんのコメントを取る――、という取材を命じられた。

 七〇年代に起き、日本の“黒い霧”と称された事件の主人公と言ってもいい二人へのアプローチである。

 若い人でこの事件を知っていたら目を見張るが、私と同年代でも案外とこの事件を知らない人もいるだろうから簡単に説明すると――、プロ野球界における八百長疑惑である。それが暴力団の野球賭博に通じたことから、黒い霧事件と呼ばれた。

 発端とされるのが、西鉄ライオンズ(当時)の永易将之投手だった。

 事実が判明すると、球団はシーズンオフの契約更新を行なわず退団させることにしたが、その後、日本プロ野球コミッショナー委員会は、永易選手を“永久追放”処分に課すとの重い裁定をくだした。

 正しくは永久出場停止処分なのだが、事実上の永久追放だった。

 永易選手が、他にも複数の選手が八百長に関与していると暴露したことで球界のみならず日本中が騒然となるが、その疑惑のひとりが池永正明さんだった。やはり、西鉄ライオンズの投手である。

 池永正明と言えば、三〇〇勝はするだろうと言われたほどの大投手だったのだが、彼にも永久追放処分がくだされ、池永さんは何も言い訳をせず、球界を去った。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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