そもそも皆さんは、「よい職場、よいチームを定義してください」と言われたら、どのような言葉を思い浮かべるでしょうか?

 連載第3回で紹介したバグジーのように、“利他の気持ち”で満たされ、お互いに支え合い、学び合える組織を思い浮かべる人もいるでしょう。あるいは、3Mやグーグルのように、創造や挑戦を楽しむことができる、お互いの思いや自主性を尊重してくれる職場を思い浮かべる人もいるでしょう。

 実際に企業研修の場などで、こうしたよい職場、よいチームの定義をしてもらうと、参加者各人が非常に多彩な面白い視点から、職場やチームの理想像を描いていることがわかります。

 たとえば、以下のような定義です。

 ・ビジョンや目標に向かって、みんなが邁進している職場
 ・やる気や活気にあふれた勢いのある職場
 ・一人ひとりが高いプロ意識や責任感を持っている職場
 ・お互いの発想やアイデア、お互いの力を引き出し合っている職場
 ・困ったときや、苦しいときに助け合える職場
 ・上下に関係なく、お互いが教え合い、育て合う職場
 ・一人ひとりが“主役感”を持てる職場
 ・自分たちの仕事、仲間に誇りが持てる職場

 また、現状を反映してなのか、こんな表現で「よい職場、よいチーム」を定義した人たちもいました。

 ・会社に行くことが楽しいと思える職場
 ・皆で一緒に飲みに行きたい、旅行に行きたいと思える職場
 ・サボる人や、ぶら下がる人がいない職場
 ・上司も含めて、仲間、同志だと思える職場
 ・「自分たちでマネジメントしているんだ」という実感が持てる職場
 ・つぶれる人を出さない、皆でお互いを守ろうという意識のある職場
 ・笑顔で満たされた職場

 よい職場、よいチームを定義するだけでも、実に色々な表現があることがわかります。「これが正解だ」という答えがあるわけではありません。

 しかし、本当に「よい職場、よいチーム」を作るためには、以下の3つの視点で考えていくことが必要です。