目標を進化させない国家や組織、
個人は生き残らない

 明治維新を成し遂げた日本人は、当時の西洋列強との軍事力や科学技術上の格差を受け入れて、圧倒的な差がある現状から目をそらすことなく、現実を受け入れた上での猛烈な学びを開始します。

 外的環境がほとんど変化しない時、あるいは自らより優れた存在が出現しない時期は、その個人や集団は自らの目標を変化させる必要性がありません。直面する問題が同じである限り、これまでの処方箋で解決でき、自らの優位性を保つことができるからです。

 端的な例は、戦国時代に鉄砲が出現したことなどです。戦闘に参加する武士は、過去のように剣術などを修練するだけでは生き残れず、鉄砲が出現している現実の戦場で勝つ新たな方法を模索する必要性に迫られたはずです。

 福澤諭吉は、日本初の米国使節団に参加しての渡米、その後の渡欧など当時としては極めて貴重な海外経験を積み、現地では積極的に見聞して技術や文化を学んでいます。極めてグローバルな視野を持つ側になった彼は、日本が「目標を進化させる必要性」を痛感します。その結晶が、当時10人に1人の日本人が読んだと言われる『学問のすすめ』なのです。

 日本の敗戦を迎えるまでの旧日本軍は、外的環境に変化や相手の優秀さを受け入れた上で、目標を正しく進化させることができずに悲惨な敗北を重ねていくことになりました。

 日本という国は、目標を進化させることができているでしょうか?私たちの地域社会は、新たな目標を創造できているでしょうか?皆さんが所属する企業組織はどうでしょうか?私たち個人はいかがでしょうか?大変革期をサバイバルするために、私たちは自らの目標を正しく変えていく必要があるのです。『学問のすすめ』はそのために歴史が渡してくれるガイドブックでもあるのです。

『学問のすすめ』は、傲慢さと臆病な蛮勇を抱えた者のための書ではなく、新たな時代に良い日本と良い人生、可能性に溢れた豊かな未来を創る挑戦者のための書です。

 私たちが140年前に日本を変えた歴史的な書籍『学問のすすめ』から、今何を学び取ることができるのか。これこそが、日本の今を変える起爆剤になるのではないでしょうか。


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