(株)ジェイフィール(このコラムを担当する高橋や河合が参加している会社)で1年間アルバイトをしたW君が、この春就職しました。4月中旬頃、彼から皆に1本のメールが届きました。

 その内容は、次のようなものでした。

 「勉強することが多い充実した日々です。幸い◯◯は働きやすい環境です。先輩が必ず新人に1人ついて面倒を見る制度があり、わからないことなどはすぐに聞けるので助かります。先輩が、熱心に教えてくれるのでモチベーションが上がります」

 これを読んで、温かい気持ちになりました。そして、「よい会社に就職したな」とホッとしました。先輩が後輩の面倒を熱心に見てくれる会社が減っているからです。

職場のコミュニケーションに
直結する“教える”という行為

「自分のことに精一杯で、後輩にものを教える時間がない」

「教えてもいつ辞めるかわからないから、時間がもったいない」

「教えたら自分が追い抜かれるかもしれないから、教えない」

 企業によって理由はまちまちのようですが、意気揚々と張り切っている若い人たちからすれば、こういう会社や職場は“ガッカリ”です。

 マネジメントは“文化”なので、こうした扱いを受けた若手たちは、やがて自分に後輩ができたときに、同じような扱いをしてしまいます。

 まさに、悪循環の発生です。

 教えるという行為は、相手に対する簡単なコミットメントでは成立しません。したがって、教える・教えないということは、組織の『関わり合いの文化』に大きく寄与します。

 OJTのためにやっている教育は、実はOJTという狭い枠の目的性を超え、コミュニティとしての組織の形成に大きく影響をして行くものなのです。