株式レポート
4月8日 18時0分
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雇用統計が悪くても円安が続く理由〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

ドル円は本日早朝に1ドル98円台にと円安が一段と進んでいる。先週末(4月5日)に米国市場では、雇用統計の下振れで米国長期金利が大きく下がり、ドル安要因となったが、その後ドル円は97円台半ばまで円安が進んだ。そして、この流れは止まらず、本日遂に98円台半ばまで円安が進んだ格好である(グラフ参照)。



4月2日レポートにおいて、欧州の混乱への懸念や日銀の政策への思惑から円高地合いとなっていた状況について「好機到来」であるとお伝えした。実際に、4月4日レポートで紹介したが、黒田日銀総裁が、ようやく米FRBに見劣りしない量的金融緩和を表明し、脱デフレを本気で目指す体制に日銀が生まれ変わったことが確認された。金融政策のレジームチェンジである。

この事実を、多くの投資家が受け止めたため、ドル円は、再び日本側の要因で動く状況が鮮明になった。だから雇用統計の多少の下振れは、もはや小さなイベントになっており、円安が止まらないのである。

民主党政権そして白川日銀体制においては、デフレが永続するという「デフレ期待」が強固になり、それが超円高をもたらしていた。ただ、 12年12月28日レポートなどで批判したように、金利はゼロで金融緩和は意味がないという考えが誤りで、中央銀行がバランスシートを増やし続けることを約束する、という金融緩和の効果は存在する。日銀が脱デフレを目指し金融緩和を行い、「いつかは脱デフレが実現する」という期待が浮上することで、上昇していた日本の実質金利が低下しそれが円高是正をもたらした。

これがアベノミクス相場の本質である。このため依然として、米国の金利低下よりも、日銀の政策転換、日本におけるインフレ予想の高まりという劇的な変化が、ドル円相場を動かしているわけだ。

この状況はどこまで続くのか。ドル円の均衡レートは100〜105円にあり、日本経済が脱デフレの道筋を辿る過程で、この水準への円安回帰は自然に起こることである。この点の詳細については、拙著「『円安大転換』後の日本経済 為替は予想インフレ率の差で動く」をご参照頂きたい。なお、同本では、今回日銀が採用した同規模の量的金融緩和策がなぜ必要かについても詳細に説明している。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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