湖南省の中南大学大学院在籍中に邱永漢氏と出会い、卒業を待たず、2005年から氏が亡くなる2012年5月16日まで秘書として中国ビジネスと中国株を直接学んだ上田尾氏。今回は、農業会社で起きたとんでもない事件の話です。

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前回の続きになりますが、無事に農地も手に入れ、ビニールハウスの業者と激しい交渉を行い、お墓も移動して200棟のハウスを建ててなんとか形だけは農業をやっているような農場になってきました。

イチゴの苗植えで起きた大事件!

 そして去年9月、イチゴの苗を植える時に事件が起きました。

 北京からイチゴの苗を35万本購入したのですが、苗も生き物ですから、短時間に植えてしまわなければ当然枯れてしまいます。ですから前日は夜遅くまでかけて農場に届いた苗を輸送トラックから降ろし、朝いちばんから植えてもらえるよう準備していました。この日はたくさんの労働力が必要なので何日も前から人集めを行い、当日は農場付近から100人以上が来て苗を植えてもらう段取りになっていました。

 そして苗植え当日の朝。農場がなにやら騒がしく揉めているようなので、「なんだろう?」とその人だかりに近づいてみると、「今は出ないでください!」とスタッフに手を引っ張られ事務所に押し込められてしまいました。農民たちが、「この苗を植えてほしければ給料を上げろ!」と暴れていたのです。

 ちょっと頭のいいリーダーが、「この苗を俺たちが植えなかったら苗が枯れて会社は大損だ!これを期に給料を上げてもらうぞ」と言ったかどうかはわかりませんが、一部の農民が扇動して今回の騒ぎになったのです。

 しかし、始まったばかりのこの時期にビビッて給料を上げてしまうと、苗植えのたびに同じように給料を上げなければならなくなるので、断じて彼らの要求には応じられません。すると彼らはますます怒って、「どうなっても知らねぇぞ!」といいながら帰ってしまいました。

 

 彼らが働いてくれないのであれば、この苗はどうする……。

 けっきょく、農業会社の親会社である不動産開発会社に連絡し、農業はまったくの素人の警備員、清掃員、販売スタッフや、少し離れた村の農民たちをかき集めてなんとか頭数だけはそろえ、作業を開始することができました。

 みんな経験がないながらも、一生懸命やってくれていたのですが、そこに先ほど大声を出して帰っていった農民たちが引き返して来たのです。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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