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『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

リストラをくぐり抜けた後には、
「転勤うつ」が待っていた

~ 39歳男性(既婚/ゼネコン勤務)の場合【前編】 ~

西川敦子 [フリーライター]
【第1回】

 「電車の座席が空いていても、なんか座れないんだよね」「そうそう、周囲の無言の非難を感じるんだよ」。40歳前後のサラリーマンが、こんな会話を交わしていた。「頑張ってあたりまえ」と思われているこの世代は、座って休むことも許されないらしい。

 およそ10人にひとりがかかるともいわれる、うつ。とくに職場や家庭の責任が重くのしかかる30~50代のビジネスパーソンには、身近な脅威と認識されているようだ。だが、ほんとうにうつは脅威なのだろうか?

 「遮二無二働いてきたけれど、うつによって立ち止まることで、生き方を変えることができた」。うつを経験し、そこから生還した人々は異口同音にこう語る。空いた席に座り、外の景色を眺めていれば、「電車を乗り換えてみよう」とか、「この駅で降りてみよう」といった気持ちになることもあるかもしれない。うつは人生を見つめ直す、一つの転機になりうるのだ。

 もちろん、ときに死に至ることもあるうつは、けっしてなめてかかってはいけない病気だ。とはいえ、うつを克服し、そこから何かを学び取ることは可能なのではないか。うつをきっかけに会社との結びつきを見直し、脱サラを果たした友人に話を聞いてみた。

絆の断ち切られた会社で

うつ、のち晴れ。 小野寺昇平さん(仮名・39歳)はおおらかな雰囲気の人だ。学生時代からのつきあいだが、明るくて頼り甲斐があり、仲間うちでもリーダー的な存在だった。だから、その彼から「うつらしき症状で悩んでいた」と打ち明けられたときは、正直、信じられなかった。

 最初に現われたのは「不眠」。うつの人に必ずといってよいほど訪れる症状だ。寝つきの悪い「入眠障害」と、夜中に目が覚めたりして熟睡感を得られない「熟眠障害」、途中で目が覚めてしまう「早朝覚醒」がある。うつではとくに入眠障害と熟眠障害が多い。 

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

うつをきっかけに、生き方や働き方を見つめ直した人々にフォーカス!うつに負けない、うつを乗り越えるための知恵と活力を探っていく。

「『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー」

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