前回のコラムでは、“若者の車離れ”を切り口として、自転車を選択するゆとり世代に着目した。そして、彼らが持つ「協調の中にある個性」という価値観について触れ、今後有望な市場として「友人とのプチギフト」をターゲットにした商品・製品開発を取り上げた。
ゆとり世代の2回目となる今回は、若者たちの就業状況と生活満足度についてmifを通じて、彼らの実態を明らかにしていく。食品と衣服の消費から見る彼らの特徴は“実感できる価値”を大切にする合理的な購入行動だ。

ゆとり世代は低所得と
非正規社員が多数派

 図表1に各世代の就業状況を示した。ゆとり世代には未就業の学生が存在するため、ここでは就業者のみを対象としている(母集団の数はカッコ内で示している)。

 すると就業しているゆとり世代のうち、所得が「400万円未満」の層が96%を占める結果となった。特に「200万円未満」の層は66%となっており、他世代と比較して2倍強の比率を占めている。また、雇用形態に目を移すと、ゆとり世代のうち非正規雇用が約6割を占めていることがわかる。正規雇用は4割を切っており、昨今の若者の雇用状況の悪化を窺い知ることができる。

 厳しい就業状況に置かれ、年間所得が抑制されている若者たち。彼らはこういった状況での生活をどう感じているのだろうか。次項では彼らの生活満足度に着目してみる。