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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

黒田ビッグバンで史上最低金利、活用は「今でしょ」
「おコメ」の味は薄すぎ、
投資家は「自炊」への発想転換も
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第95回】 2013年4月24日
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「黒田ビッグバン」で史上最低金利

 今年2月に日銀新総裁に黒田氏の指名が決まったとき、筆者に「ドリームチームだ」と語った海外投資家は、4月4日の黒田総裁が率いる日銀の決定を「Kuroda big bang、最高のプレゼントだ」とした。

 かねて筆者が世界の中央銀行の「金融緩和オリンピック」と言っていることを受け、「今回のオリンピックの勝者は日本だ」と評価し、海外投資家をも十分に満足させるものだった。

 4月5日に日本の10年国債金利は一時0.315%と、2003年6月に記録した0.43%を下回る日本の10年長期金利の最低値を更新した。これは、人類史上始まって以来の最低水準でもある。

 今月4月2日に、米国でレンジャーズのダルビッシュ投手は完全試合を逃したが、4月5日に日本の市場参加者は歴史的瞬間に立ち会ったことになる。もとより、今日、日銀が行うインフレターゲットは、これまで各国中央銀行で行われてきたが、デフレに対処した対応は金融史上初と言ってよく、「金融政策の革命」に近い。

今や「おコメ」の味は薄すぎる

 国債を中心とした債券は、多くの金融機関にとって運用の「おコメ」、「主食」として筆者は過去10年以上にわたって重視してきた。「おコメ」の味はキャリーとしての長短金利差にあるが、昨今、長期金利の大幅低下の環境下、「おコメの味」は随分と薄くなってしまった。

 先に示したように、4月5日に10年金利は一時、0.315%まで低下した。このような極端な水準では、O/N金利との長短金利差は0.2%程度となる。それ以前の最低金利であった2003年の0.43%のときはゼロ金利政策下だっただけに、長短金利差は0.43%あったことからも、大きな差である。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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