元マイクロソフト日本法人の会長で、現在は慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の古川享さんをホストに迎えて、古川さんが日本を変えていく存在と期待を寄せるスマート・ウーマンの方たちとの対談を掲載しています。米良はるかさんは、日本で初めてクラウドファンディングのサイトを立ち上げ、設立から1年で2万人の人が参加するサービスとして日本に定着させました。ネットの力を使い、世の中で熱い思いを持った人たちが自分の思いを実現させる手伝いをしたいと熱く語ります。

夢を応援する仕組みを立ち上げたい

古川享(以下古川):米良さんは、慶應義塾大学経済学部の3年生在学中にスパイシー(「あのひと検索 スパイシー」)を立ち上げ、その後、KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)に入学後、チアスパ、READYFOR? (レディフォー)とインターネット・サービスを時代の要求にマッチさせながら軸足をシフトし、発展させてきましたよね。スパイシーを見たときは、このままでも企業にライセンスをしたり、このサービスをビジネスとして確立できるかもしれないと思っていたところ、あえて寸止めで止めたという印象だけど。

「世界中の人の思いを実現させたい」(READYFOR? 代表・米良はるか)――古川享が聞き出す今を駆けるスマート・ウーマンの本音めら・はるか
READYFOR? 代表。2012年慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修了。2010年スタンフォード大学へ留学、帰国後にオーマ株式会社取締役に就任。2011年3月日本初のクラウドファンディングサービスREADYFOR?の立ち上げを行う。同サービスは現在約1億6000万円の流通額を誇り、国内最大規模として展開されている。World Economic Forumグローバルシェイパーズ2011に選出され、日本人史上最年少でスイスで行われたダボス会議に参加した。
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Photo by Sam Furukawa

米良はるか(以下米良):スパイシーは、100万人分のデータを持っている人物検索サービスですが、その人の経歴だけでなく、人物相関図まで見せるサービスです。ウェブ上にある、その人に関連した情報を勝手に抽出してくる技術をもっていて、相関図も自動的に作られます。もともとは、大学のインターゼミで知り合った東京大学の松尾豊准教授が持っていたアルゴリズムをビジネス化したのがスパイシーです。

古川:検索すると、最初にこの人とこの人はつながっている、というのが相関図として表示され、その中心にいる人物と関係のある別の人を中心にマウスなどで移動すると、そちらを中心にした相関図に変化する。私自身が、この人とどんなつながりがあったのか?と思うような、自分が意識していない人間関係が、社会の中ではこうみられているのだという発見があり、実体としてそうなっていたのだという再発見が一瞬にして画面上の相関図から見えてしまう。本当は直接付き合いのない人でも友人経由で実はつながっていることが分かったり、人間関係を相関図で俯瞰してみるというのは面白いなと思った。

米良:サービスを始めた当時は、人間関係を俯瞰して見せるというのはほかになかったですよね。