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「世界中の人の思いを実現させたい」(READYFOR? 代表・米良はるか)――古川享が聞き出す今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第10回】 2013年4月26日
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米良:スパイシーの構造を見ていくうちに意識しだしたのが、ウィキペディアとの違いです。ウィキペディアには人の情報が20万人分あって、その情報は人が編集して作っています。一方で、スパイシーは100万人のデータを集めている。その差の80万人というのはロングテールといわれる層です。メディアでとりあげられるほどではないけれど、業界内では有名で、情報がウェブに上がるようになってきた人たちです。新しい情報、コンテンツとして、そういう人たちの人間関係をとらえたのがスパイシーで、チアスパは、インターネットという力を使って、その人たちの活動に応援を送れるような場を作りたいと思って始めたものです。

 チアスパは、夢や困難を抱えている人がその活動内容をサイトに公開し、それに対して100円とか1000円を継続的に集めるというシステムでしたが、お金を出すインセンティブがうまく設計できていなかったのが問題でした。

 そこで、個人のやりたいこと、夢をきちんとコンテンツとしてウェブ上で見せて、それに賛同した人が期限までに寄付をし目標額に達したら決済するというクラウドファンディングの仕組みにしたのが、READYFOR?です。READYFOR?は日本初のクラウドファンディングです。

古川:今はチアスパからREADYFOR?に完全に移行してますが、松尾さんを中心に、東大出身者たちの開発チームが、米良さんの企画したものをつくるという関係はそのままですね。さらにその仕組み(ソーシャル・ネットワークを活用したマイクロ・ファンディング)を実際に使って、最終的に夢を実現しましたという人が早稲田大学の学生だったりする。産学連携、大学間連携を旗印にして、政府が何億円もお金をつんでもうまくいかなかったことが、ここでは実際に大きな実績をあげている。この短い期間でよくそこまで達成したなと思います。

米良:おかげさまで、READYFOR?は立ち上げから約1年で2万人が寄付してくださり、1億3000万円が集まりました。

古川:今まで寄付をしてもどこにお金が渡って行くのか、何に使われたのかわからなくて無駄になっていることもあったと思います。中にはいじきたなく手数料といって中間搾取するのが当たり前に思うような人もいて。READYFOR?の、あなたの夢を実現するために私も参加したいというのはとても素晴らしい。3000円とか5000円とか、最大で10万円としても、「私も参加したい」という人の気持ちを引き出すきっかけになったのは大事なことだね。

米良:チアスパでいちばん苦しいときがあって、そのときには本当に古川先生に支えていただきましたし、スタンフォード大学のプログラムに参加する際にも、裏では大変ご尽力いただいたと聞いてます。こういう方が日本にたくさん増えれば、スタートアップもうまく回り、日本にも活力があふれるだろうなと思っています。支え方がすごいなと。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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