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グーグルから提携相手を横取り?
アップルの買収劇が示す音楽市場の転機

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第73回】 2009年12月16日
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 アップルが先頃、創業4年目の新興企業ララ・メディアを買収したことが話題になっている。インターネットの音楽サービス・ビジネスに、再び大きな変化が訪れるのではないかと考えられるからだ。

 ララは、音楽をストリーミングで提供するサービスだ。アップルの人気の音楽ストアー、iTunesは、音楽ファイルをダウンロードして自分のコンピュータやiPodに保存する。それを、CDを所有するのと同じように繰り返して聞けるというものだ。

 ところが、ララのサービスは音楽ファイルをダウンロードせずに、その都度インターネットにアクセスして聞くというもの。最近は、テレビ番組や映画をストリーミングで見られるようにしたサービスが多くなってきたが、それと同様、ララ側のサーバーにアクセスし、そこにある音楽を聞くわけだ。

 ララがユニークなのは、それだけではない。

 ララでアカウントを作ると、こちらのハードディスクに保存されている音楽ファイルをスキャンし、同じ楽曲については無料でインターネット上のライブラリーを作ってくれる。つまり、今の流行語で言えば「クラウド」上に自分の音楽のライブラリーが自動的に出来上がり、モバイル・デバイスでそこへアクセスして音楽を楽しむことができる。

 さらに、他の音楽を買いたいとなれば、それも可能。ストリーミングで聞きたい音楽ならば1曲たったの10セント。ダウンロードする場合は、iTunes と同程度の価格(1曲79~89セント)を支払う。いずれにしても、クリックひとつで新曲をコレクションに加えることができる。新しい曲は、検索で探せる他、お勧めエンジン機能で「好きそうな曲」も教えてくれる仕組みだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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