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「引きこもり」するオトナたち

お金がなくなったら死を見据えることに…
家族・世間に放置された40代男性の絶望

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第151回】

 中学時代に発症した「神経症」で通学が困難となり、高校を1年で退学。その後、6年間引きこもった。

 「私が引きこもった頃はバブル期だったため、それなりに羽振りは良かったようです。経済的なサポートは、十分受けています。引きこもった最初の1年くらいは、ある病院の相談機関に通っています。しかし“この先どうしたら…”という悩みに対して、誰も導いてはくれませんでした」

 自力で動こうとしては空回りの繰り返し。次第に両親からは放置状態となり、6年もの時間を棒に振った。

20代からバイト・派遣で働くも
リーマンショック後は「孤立無業」状態に

 気がつくと、20歳になっていた。しかも、バブルの崩壊によって、家庭の経済状況が悪化。「親があてにならない」という焦りが大きくなり、何の計画性もないまま、20代に入ってからは、十数年間も、アルバイトや派遣で収入を得ていた。

 「ずっと金銭で縛られてきたので、いつ切られるかもわからない中、蓄えを作っておかなければいけない。その蓄えも、親に持っていかれるかもしれないと、どこかで思っていたんです」

 Aさんは、回し車の中を走るハムスターのように、それでも何とか一生懸命に頑張って働いてきた。

 「それが車の足として誇れるのかというと、違うんですよね。結局、正社員ではない。ちゃんとした学校も出ていない。私の時代は、“それは甘えだ”“正社員になることはできただろう?”などと言われてきました。いまほど社員へのハードルは高くなかったと思います。ただ、僕はそこにも行けなかった」

 結局、リーマンショック後、派遣契約の更新は終了。以来、4年余りにわたって、再び「孤立無業」の状態が続いている。

 「早い段階で、切られることはわかっていました。むしろ、派遣先にはすごく感謝しています。私には、一般的な就職活動の経験がありません。がむしゃらな就労を続けてきました。アルバイトは、立ち話程度の面接で採用されるようなところばかりでした」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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