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「引きこもり」するオトナたち

お金がなくなったら死を見据えることに…
家族・世間に放置された40代男性の絶望

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第151回】

 ITバブルの頃の派遣会社は、登録さえしておけば、パソコンが苦手なAさんでも、良い仕事を斡旋してもらえたという。

 「もし、履歴書の経歴=学歴+正社員歴とするならば、現在の私の経歴には、25年近いブランクがあるということなのでしょう。

 2~3年前、『地域若者サポートステーション』を利用したことがあります。自分が10代の頃に、こんな施設があったら…と思うと、胸が苦しくなりました」

 Aさんは20代の頃、民間の引きこもり支援団体を訪ねて行ったことがあるという。

 Aさんは自分でアルバイトをして、自力で貯めたお金を使い、その施設に2度ほど通った。

 「次の面談は、施設のほうから“連絡する”と言われていたんです。それが、それっきり、連絡が来なくて…。親というスポンサーがいないので、切られたんだなと思いました。

 当事者の自助グループにも顔を出してみたんですけど、金銭的には困っていない人たちがやってるだけって感じで…。どこへ行っても当てはまらなくて…」

陰湿な父親と共依存の母親
「家族からの放置」が引きこもりの一因に

 Aさんだけでなく、お金のない当事者たちに、「常にはじかれてきた」と感じさせるような世の中の構造は、これまで私たちがつくりだしてきたものだ。

 振り返れば、Aさん自身も「家族からの放置」による「引きこもり」が長期化。その後の悪循環で「もはや手の施しようがない状態となった」という。

 「私の両親は、一言でいえば幼稚な人たちでした。社会というものに対し、高をくくったようないい加減さがありました。教育にも熱心ではなく、私にとってはあてにならない身近な大人でした」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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