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「引きこもり」するオトナたち

お金がなくなったら死を見据えることに…
家族・世間に放置された40代男性の絶望

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第151回】

 「父親は、決して社会的地位の高い人間ではありませんでした。性格は陰湿なのですが、極度のええ格好しいでもあったため、理想と現実が噛み合わず、常にイライラしていました。酒癖も悪く、何時間も母親に絡むさまに辟易したものです」

 20代の前半頃、アルバイトにも慣れ、運転免許も取得した。正社員を目指してみようかと前向きだったそんな頃、父親が経済的に破たんした。

 その後、父親は、親族とのトラブル、失業、アルコール依存と転がり落ちていった。

 「以来、私にとって『家族』なるものは、爆弾のついた手枷足枷でしかありません。

 ずっと父親の死を願い続けてきましたが、70歳代のいまも健在です。共依存と思われる母親は、自身の置かれた状況から目をそらし続けています」

あと3~4ヵ月で貯金は底をつくのに
なぜ生活保護をためらうのか

 Aさんは08年頃、あるきっかけで、実家を出て独立した。以来、家賃の安い公共住宅を渡り歩いている。

 Aさんは派遣で切られたとき、すべての人間関係を遮断したという。以来4年間、人と話をしたのは数えるほど。ほとんど何もしていない。

 その間、蓄えだけで生活してきた。しかし、3~4ヵ月後には、貯金が底をつく。なぜ、生活保護を申請しないのかと聞いてみた。

 「4年前だったら、生活保護ももう少し緩かったと思うけど。悪いタイミングのときに、その瞬間が来てしまったなと…。お金を使いきったところで、ややこしい経歴や、すべてのしがらみを断ち切ることを望んでるのです。いまはカウントダウン状態です…」

 こうやって、筆者にコンタクトを取ったのも、「あと3~4ヵ月で最後だから、いいかな…」というのがきっかけだったという。

 ただ、お金がある限りは、声をかければ、できる限り出てきてくれるそうだ。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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