昭和のスローライフに似合う
昭和のスローモビリティ

 まるで、「屋外型・昭和博物館」だ。

 スバル「360」、マツダ「K360」、日産初代「フェアレディ」など、昭和30年代から40年代のクルマたちが、苅谷商店街(千葉県いすみ市苅谷)に色を添えた。

日本社会が避けては通れない高齢者運転の現実<br />10年以内に本格的「スローモビリティ」時代が来る「みんなでしあわせになるまつり in 夷隅」。千葉県いすみ市苅谷商店街に並ぶ、昭和のクルマたち。スバル「360」に家族連れが興味津々 Photo by Kenji Momota

 房総半島で、菜の花畑を走る「キハ28、キハ52」や、ムーミン列車などが人気の「いすみ鉄道」。同線・国吉駅から徒歩2分、苅谷T字路の県道85号線、その約300mの苅谷商店街が大型連休前半の4月28日、29日の両日、歩行者天国になった。そこに、昭和のクルマたちが「路上展示」されたのだ。

 この他にも様々な出し物があった。ボンネットバスによる国吉駅周辺の体験試乗。「大分中津からあげ」、「富士宮焼きそば」など全国B級グルメや、地元「いすみのタコ飯」などの屋台村。そして、ご主人の母親の実家が苅谷にある「トワ・エ・モア」の歌手・白鳥恵美子さんらによる「商店街ステージ」など。子どもから高齢者までが、ホンワカした気持ちで楽しめる地域密着型イベントだった。

 これは、今年で二年目を迎えた「みんなでしあわせになるまつりin夷隅(いすみ)」の模様だ。

 開催直前の4月27日には、圏央道の木更津東~東金間が開通。苅谷商店街は、今回新設された同線・市原鶴舞インターチェンジに近く、東京・横浜方面からは東京湾アクアライン経由で約1時間で到着するほど、利便性が上がった。その効果もあってか、今年のまつりは昨年以上に大勢の観客が詰めかけた。

 この「みんなでしあわせになるまつり」は、岩手県栗原市栗駒岩ケ崎の六日町通り商店街が2006年から始めたものだ。開催趣旨は「人にも町にも活気があった昭和時代を再現」とある。

 その「再現」のキーファクターが、昭和のクルマたちなのだ。