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「すべてのユーザーやファンを巻き込み、社会と企業をつなぐ」(楽天・黒坂三重)――古川享が聞き出す 今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第11回】 2013年5月16日
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黒坂:その中で、大きな改善として取り組んだのが、「楽天市場」トップページのリニューアルでした。震災直前にリニューアルし、震災発生後も細やかなリニューアルの対応もしていました。一方で震災対応にも取り組み、いずれも重責だったことからこの時期はとても緊張感のある日々が続いていました。

 現在は、2012年6月からCSR部門を統括しています。CSRは、海外ではすでに重要視されていますが、日本では、社会と企業を繋ぐ活動として、震災以降、よりその重要性が見直されました。その活動において、社会に持続的に貢献していくという点で、本業で対応していくことが楽天らしい取り組みであると考え、本業と連携した活動に努めています。

 具体的な活動として、東日本大震災の被災地で必要とされる物資を「楽天市場」の出店店舗さんたちに非営利な価格で提供いただき、楽天でお買い物をしてくださるお客様に購入いただくという活動「楽天たすけ愛」を震災直後から昨年の3月まで実施していました。

 また2012年12月から被災地域における復興支援活動の一環として、福島県内を巡回する車両型の移動図書館「楽天いどうとしょかん」を1年にわたり展開しています。

 絵本や図鑑など、子どもたちが調べ学習に使える本、話題のまんがなど約1200冊搭載に加え、電子ブックリーダー「kobo Touch」も搭載し福島県内を定期的に巡回しています。本に関しては先ほどお伝えした「楽天たすけ愛」のスキームにより全国からのご支援をいただき購入いたしました。

 そのほか、教育振興にも取り組んでおり、2008年から高校生向けに「楽天IT学校」を全国で展開しています。こちらは、次世代を担う学生たちにインターネットショッピングの運営を実体験させ、実践的な電子商取引を理解してもらうための出張授業です。2013年2月現在で全国の商業高校29校で開催してきました(楽天のCSR活動の紹介ページを参照)。

 私自身のキャリアを振り返ると、常にユーザーやファンを大事にしたいと思ってきました。今はその集大成として、これまでの総合力を発揮して、社会と企業をつなぐ新しいフレームワークを構築したいと日々努力を重ねています。

ギリギリのタイミングを見極める眼力

古川:まさに楽天の本丸を経験されてきたのですね。そもそも楽天に入るきっかけとなったワイノットというのはどのような会社ですか。

黒坂:ネット上のグリーティングカードサービス事業です。もともと米国にあったYnot.com(Whynot Creations Inc.)という会社の子会社を日本に作るということで、マクロメディア時代に知り合った1人のアニメーターから紹介されて関わるようになりました。

 経験を重ねてきた中で、最後は社長を体験するしかない!という時期でしたので、株式会社を設立するために銀行口座開設からオフィスの下見、登記作業など、ありとあらゆる作業をしました。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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