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「すべてのユーザーやファンを巻き込み、社会と企業をつなぐ」(楽天・黒坂三重)――古川享が聞き出す 今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第11回】 2013年5月16日
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黒坂:シリコンバレーにあるという米国本社訪問の機会もいただいて、ワクワクしながら渡米してみたら、砂漠の真ん中にある田舎町で泣きそうになりました(笑)。

 その本社はインターネットベンチャーそのものという感じで、組織として未熟なところも目につきました。クリエイターばかりが100名以上いて、営業は手薄など、経営者として改善できそうな部分もたくさん見えてきたので、可能性はあると思いました。

古川:最初は米国本社の日本支社、つまり子会社だったのに、結果的には日本法人を独立した会社にしたのはなぜですか。

黒坂:米国本社への出資の目的で、いろいろな方に監査法人やベンチャーキャピタルなどをプレゼンしてまわっていた際に、「あなたのプレゼンを聞いていると、子会社ではなく、あなた自身の会社に投資したいと思う」と言われたのです。

 それもあっていろいろ考えて、結局タイミングをギリギリまで見計らって、最終的に米国本社から切り離して、日本の増資だけをするということができました。もともと日本の売上げで各国で支社をつくっていた状況でしたので、このタイミングで米国の傘下に日本があるという立場も変え、私が日本での社長職に就くことになりました。

古川:その判断能力というのは、やはりそれ以前の仕事での経験が生きていたと思われますか。

黒坂:それはあると思います。

古川:ワイノットを米国から独立させるときに、いくつかの企業から、できるなら私たちの傘下に入らないかという話がずいぶんあったようですね。その中で着地点として楽天の傘下に入ることに決めておられます。

 1人で独立して上場まで実現するのも1つの目標かもしれませんし、楽天の傘下に入ったことによって資金繰りや、他のリソースも間接的に使えるというメリットもあったでしょう。もちろん、ワイノットが楽天のブランド力を高めるという作用が働いた部分もあると思いますね。グリーティングサービスは今でも楽天できちんと機能していますし。

 少し話がそれますが、ちょうど楽天の傘下に入る頃に出産もされているのですね。

黒坂:そうです。いろいろなことがいっぺんに来て(笑)。ワイノットのデューデリジェンス(資産査定)が終わったのが臨月のときで、三木谷に挨拶に行ったとき、お腹をツンツンしてもらいました(笑)。

古川:そして産後3週間で、仕事に完全復帰されていますね。

黒坂:出産後休んでいたら、もともと黒字だった会社が赤字になり、三木谷から「どうするんだ? 初めて黒字の会社を買ったのに」と言われて、こちらもカチーンときて、「じゃあ戻ります!」と。それで黒字に戻しました。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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