株式レポート
5月13日 18時0分
マネックス証券

日経平均1万5,000円目前 - 広木隆「ストラテジーレポート」

<年初に想定した1万4,000〜5,000円水準に向けて株価が上昇している過程にあるわけだから、別に驚くには及ばないが、スピードが想像した以上に速く、少し戸惑っているというのが本音である。>
と書いたのは、ちょうど1カ月前の 4月12日付けレポート「市場参加者が想定するバリュエーション」というレポートであった。

短期的には材料出尽くしで一旦調整、との見通しを持っていたが、相場はまったく押し目を作らず、もはや日経平均は1万5,000円の大台を視野にとらえるところまで上昇している。今月末の予想を13.250円としたが、さすがにその水準まで下押しすることは残り半月余りでは考えにくい。押し目があっても、せいぜい1万4,000円前後までの調整にとどまるだろう。日経新聞に出した「日経平均ダービー」の予想は変えられないが、このストラテジー・レポートのほうは修正させていただきたい。

前回、さすがに一服となるだろう、と書いたが、「ドル円が100円の節目を突破して、さらに円安が進行すれば話は別だが」と但し書きも付け加えておいた。その別なシナリオがあっさりと示現してしまったのだから、予想が外れて株式相場が上値追いとなるのも無理はない。

ではなぜ100円の節目を前に上値が重たく足踏みしていたドル円が一気に抜けてきたのか?これは先日、チーフ・エコノミストの村上も「1ドル100円を超えたドル円〜本当の理由〜」で述べていたが、これだ、というような明確なきっかけがあったわけではない。いろいろな材料が積み重なって、はずみで抜けていったというのが真相だろう。僕もマーケットメールで書いたけれど、99円ちょうど、99円50銭、100円ちょうど、など節目ごとに置かれていたストップロスを巻き込む格好で加速していった感がある。
1日だけの動きを追うよりも、もっと大きな背景を考えた方がよい。日本の株も上がっているが、米国株やドイツの株式市場は史上最高値にある。全世界的な株高が起きている。この背景は、これもまた全世界的な金融緩和だ。4月の日銀の「異次元緩和」の後も、5月に入ってからECB、オーストラリア中央銀行、そして韓国銀行と各国の中銀が競うように利下げをしている。バンク・オブ・アメリカの集計によると、5月9日に韓国銀行が行った政策金利の引き下げは、2007年6月以降、世界の中央銀行が行なってきた利下げとして511回目であるという。僕は2011年の12月1日、ウディ・アレンの誕生日に「Everyone Says I Love You (世界中がアイ・ラブ・ユー)」という彼の作品にちなんで、Everyone Says Easing、まさに 「世界中が金融緩和」というレポートを書いたけれど、そこから状況はさらに加速しているのだ。

こういう状況にあって、この世界的な金融緩和合戦から、一足先に抜け出すのはどこか、と考えれば、それはやはり米国ということになるだろう。目先の出口議論の熱が高まったり引っ込んだりというレベルではなく、もっと俯瞰的に考えたときに、世界をぐるりと見渡して考えたときに、どこが先頭なのかと言えば、それはやはり米国なのだ。そしてどこが最後続かといえば、それは間違いなく日本である。そういう金融政策の位置づけを改めて市場が意識したということである。それがなぜこのタイミングで為替の動きに反映されたのかは分からない。市場は気紛れだから、というほかはないだろう。

前出のレポート「市場参加者が想定するバリュエーション」では「1ドル100円という円安による増益効果などを織り込めば、これから時間の経過とともに、更に20%の業績上方修正はあり得るだろう。(EPS 1080円)そのEPSを17倍まで評価してやれば、日経平均は1万8,000円を超えてくる」とした。そして以下のバリュエーション・マトリックスを示した。先週末で決算発表は概ね一巡したが、14年3月期の予想EPSはほぼ変わっていない(若干上方修正されて917円である)。市場はもともと見ていた予想業績に基づき、バリュエーションを切り上げてきた。業績予想が変わらずバリュエーションの変化だけで今の株価水準に達した。少し上方修正されたEPS917円を17倍で評価すると1万5500円超になる。その水準までは想定の範囲。それ以上は業績の更なる上方修正が必要である。




(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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