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心は変えられる― 稲盛和夫とJAL社員が歩いた1100日の証言
【第3回】 2013年5月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

稲盛名誉会長退任
――植木義晴社長が目指す「僕たちのJAL」

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周囲の予想をはるかに上回るスピード再建は、「JALの奇跡」とも、はやし立てられる。だが、それは奇跡などではない。
稲盛和夫がJAL社員の心に「火」をつけ、社員がそれこそ「地味な努力」を積み重ねてきたからこそJALの今日がある。
その稲盛は、当初の言葉通り名誉会長として残るものの、この3月末をもってJALの取締役を退任し、経営の第一線から身を引いた。
連載第3回は、社長の植木義晴に、「稲盛がいなくなった後の、これからのJAL」について、現場社員とともに語ってもらう。(文中敬称略)

しばし黙考しつつ、一つひとつ丁寧に語る、JAL社長の植木義晴氏。
(撮影/原 英次郎)

中央集権的な「組織」から
自ら考え、行動する「職場」へ

植木 私たちは「プレパッケージ型」という再生方式を採用させていただいたおかげで、飛行機を一便も止めずに事業を続けることができました。それゆえ、倒産したことが直接感じられないセクションでは、何も変わっていないじゃないかという意識もあった。

 稲盛さんがJALに来られて、すぐそのことを感じられた。

 「お前ら間違っているぞ、会社は今つぶれているんや。つぶしたのは誰や。人の責任にしているうちは、ここの会社は立ち直らない。全部自分たちの責任や。ここをまず、みんなでしっかりと共有しなさい」と。
そこが改革のスタートですね。

  稲盛さんもずっと言い続けているし、社長として僕の一番の目標でもありますが、僕は今までの組織の感覚を変えたかった。
  あの中央集権的な組織ではなく、各職場、各現場が自ら考えて、責任を持って行動する、そういう職場に変えていきたいと思っています。

  最近、私自身、JALが一番変わったなと感じるのは、そういう芽がいっぱい出始めたことです。JALフィロソフィの言葉で言うと、いろいろな「渦」が、至るところに渦巻いてきている。しかも、現場に近いところで。
   これがきっと、いつかひとつの大きな渦になったときが、この会社は確実に再生できたと、言えるときだと思っています。

  確実にその渦は出てきていて、地方の支店に行ったり、いろいろな職場を回るときに、そのことを感じるのが、今一番楽しいですね。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

心は変えられる― 稲盛和夫とJAL社員が歩いた1100日の証言

2010年に会社更生法の適用を申請し倒産したJAL(日本航空)は、2012年、3年も経たずして過去最速の再上場を果たした。驚異的なスピード再生を実現させた「意識改革」とは何か。3万2000人が働く「現場」に、いったい何が起こったのか。

「心は変えられる― 稲盛和夫とJAL社員が歩いた1100日の証言」

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