今年のクールビズは
いつもと少し違う

「クールビズ」が、今年も5月1日から企業や官公庁でスタートしました。その光景は、今ではすっかり社会に定着した感もありますが、始まりは2005年、環境省が職場の冷房温度の下げすぎによる電気のムダ使いを防止するため、軽装で働くことを推奨するキャンペーンを実施したことです。

 東日本大震災のあった11年からは、従来の6月開始が1カ月前倒しの5月スタートとなり、終了も1カ月延長の10月末とされました。昨年からは、ポロシャツ、アロハ、スニーカーなどもOKの「スーパークールビズ」も始まり、今年も6月1日からキャンペーンがスタートします。

●環境省「SUPER COOL BIZ 2012」のページ

 こうして、多くのビジネスマンはこの時期、ジャケットを脱いでネクタイをしないのが当たり前になってきました。当然ながら、その影響を最も受けたのがネクタイ業界です。生産者団体・東京ネクタイ協同組合によると、11年の日本のネクタイ生産・輸入量は約2900万本で、ピークだった1991年の約5600万本から半減したそうです。

 ところが――。

 13年のクールビズには、昨年までとトレンドの変化が読み取れます。中でも注目すべきは、何といってもジャケットとネクタイの復活です。

 ノージャケット、ノーネクタイが主流だった12年までとは違い、今年はジャケットにネクタイ、それにパンツというスタイルが流行するという予測がなされているのです。実際、ネクタイの復活と共に、洋服売場ではネクタイピンやポケットチーフ等の関連商品が目立ってきています。

 そして、もう一つのトレンドが、鮮やかな明るいカラーの流行です。