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長距離はカフェインをお供に
一般常識に科学的根拠

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第149回】

 長距離ドライブの安全を守る研究報告を一つ。

 先月、医学誌「BMJ(オンライン版)」に報告された研究によれば、長距離ドライブの際にお茶やコーヒー、カフェイン含有錠剤などを飲用すると、交通事故のリスクが6割減少するという。

 調査は2008年12月から11年5月の間に、オーストラリア在住の走行距離200キロメートル以上の長距離ドライバーを対象に行われた。警察沙汰の事故を起こしたグループ(事故群)と、過去12カ月間無事故のグループ(対照群)に分け、事故とカフェイン摂取頻度の関係を分析した。

 その結果、対照群の人は43%が眠気覚ましを目的にコーヒーやカフェイン含有の栄養ドリンクを飲んでいた。また、カフェイン濃度が高い錠剤や飲み物を摂った割合は事故群が13%だったのに対し、対照群は37%と3倍近かった。さらに、年齢や走行距離、休憩の頻度などの影響を排除して比較したところ、カフェインを摂取している人は非摂取者に比べて交通事故のリスクが63%も減少していたのである。

 研究者は「ドライブ中の眠気覚ましにはカフェイン摂取が有効だが、やはり事前のドライブ計画や休憩時間の確保といったマネジメントが重要である」としている。

 おそらく、誰もが経験的に長距離ドライブのお供として、眠気覚ましのコーヒーやカフェイン入りのガムなどを用意していくだろう。今回の研究では経験知が統計的に証明されたというわけ。

 ドライブ中の眠気覚ましはタバコ、という方もいるだろうが、こちらはあまりお勧めしない。ヘビースモーカーでは、過去5年以内の交通事故リスクが81%も高いという結果が出ているからだ。

 カフェインの眠気覚まし効果は、脳内の眠気物質「アデノシン」の働きを阻害し、報酬系を刺激して「ナチュラルハイ」状態を誘導することで生じる。ただし効果を発揮するのは、例えばコーヒーを飲んで3~4時間が限度。かといって、続けて摂取すると利尿作用でトイレが近くなる。SAに行こうと焦り事故を起こすようでは意味がない。ご注意を。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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