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「追い出し部屋」という部署をご存じですか?
そして、そこではどんな仕事をさせられるのかも

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第31回】 2013年5月20日
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 名前を言えば誰でも知っている大手企業の中には、キャリアチャレンジプログラム、キャリア開発室、キャリアデザイン室、キャリア開拓グループ、企業開拓チーム等々と呼ばれる部署がある――、とのことだ。

 そこは、俗称で『追い出し部屋』と呼ばれている。

 部署名に“キャリア”と名がつくのは偶然なのか、あるいは水面下での申しあわせがあったのかは知らないが、リストラのターゲットを一堂に集め、その俗称が示すとおり、会社から“追い出す”ために設けられた部署を言うらしい。

 早い話が、キャリアなんとかという部署への異動が命じられたら、それは、会社はもうその人を必要とせず、とっとと辞表を書いて辞めてくれよ、と宣告されたにも等しいということだ。

 追い出し部屋と称されるからには会社から追い出すためにあるには違いないが、そこで退職の強要等の悪辣な行為があれば労働法に反するため、厚生労働省が実態調査に踏み切ったのが今年一月末だった。そのとき、先刻の名称で追い出し部屋を設けていたと報じられたのが、パナソニック、シャープ、ソニー、NEC、朝日生命保険の五社だった。

 さらに、厚労省は四月九日、日立製作所とゲームソフトメーカーのコナミの子会社にも、追い出し部屋同様の部署があるとして、新たに調査を始めることを明らかにした。

 この他にも、化粧品メーカーのノエビア、セイコーインスツル、東芝の調査も進めているとのことだが、いずれも世に知られた企業であると同時に、業績悪化が伝えられた企業でもある。社員が余ってしまったんだね。

 会社に必要とされず行き場を失った社員を集めた掃きだめ部署……、なんてのは漫画の中の物語だと思っていたけど、どうやら本当にそんなことがあるらしい。漫画だったら、おおかた掃きだめ部署の掃きだめ社員が一念発起して会社の危機を救う、なんてストーリーになるのだろうが、現実の世界でそんなことは起こらない。追い出し部署への配属は、遠回しな解雇通知なのだ。

 ということを、朝日新聞と週刊プレイボーイが報じている。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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