初回購入者からリピート
オーダーを獲得するには?

 成熟しつつあり、新規顧客の獲得コストが上昇し続けている今日の通販市場では、リピート顧客の獲得は、まさに通販事業者にとっての生命線といえます。

 リピート売上からの利益の最大化のためには、既存の顧客を購買履歴等によってセグメントに分け、セグメントごとに最適なコミュニケーションを行うことが必要です。

 前回「既存顧客は、1回目の購入(F1、Frequency=1)から、2回目の購入(F2、Frequency=2)に至るまでが最も離反が大きい(=リピート率が低い)」というお話をしました。ここのリピート率を上げることが収益に大きなインパクトをもたらしますので、今回はこの「F1顧客」というセグメントには、どのようなコミュニケーションが効果的かを解説したいと思います。

 既存顧客のリピート率は、F値(F=通算購買回数)の違いでどれくらい違うものでしょうか。

F1時の購入が定期購入ではない場合、F1→F2のリピート率は、20~40%程度であることが多いようです。その場合、F2→F3、F3→F4……とリピート率は上がっていき、F3を超えると70~90%程度と高くなり、安定したリピート収益の基となります。以前は、F2→F3の段階でリピート率は高くなっていましたが、今は通販ブランド間の競争が激しくなり、ブランドに顧客が定着するのに時間がかかるようになりました。最近では、F3、F4の段階でようやく、ブランドへの定着が見られるようになってきています。

 このように、顧客が最も減ってしまうのがF1からF2に至る段階ですので、F1の顧客には特別な対応が必要です。

 仮に、新規顧客1人あたりの獲得コストが7000円だった場合、

F1→F2のリピート率が20%……F2顧客獲得コストは、3万5000円(=7000円÷20%)
・F1→F2のリピート率が33%……F2顧客獲得コストは、2万1000円(=7000円÷33%)

 ――と、このようにF1→F2のリピート率が変わるとF2顧客の獲得コストは大きく異なり、この差額、1万4000円をF3以降のリピート売上で埋めていくには相当な期間が必要です。