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外科医のつぶやき

“いくら洗っても”綺麗にならない手

柴田 高
【第1回】

 私の勤めていた病院には、外科医が20名以上在籍し、部長職を含めた専門スタッフが各疾患別に担当していた。その中で、私は肝胆膵という比較的厄介な臓器を担当していた。

 手術フロアーには、医師たちが一息つくための談話室があった。そこでは、われわれが戦闘服と呼んでいた手術着の下に着る寝巻きのような緑の服を着て、よく休息をとっていた。

 その部屋には、手術室を映し出すマルチスクリーンがあり、全ての手術室の様子が自動切り替えで見ることができる。私はその部屋のソファーを気に入っていて、手術の合間にはいつもごろごろしながら麻酔の様子やら主治医のメスさばき、看護師の動きなどを観察するのが趣味だった。

 ある日の朝、手術前に談話室でこんなことがあった。

 「先生、今日は何の手術ですか」と手術マスクをつけながら泌尿器科のK部長に尋ねられた。

 「今日は朝がラパ胆(腹腔鏡胆嚢摘出術)。ラパ胆やって、で昼から肝切(肝臓切除術)ですよ。ところで、今度の病院機能評価大変ですよね」と私。

 「病院のお受験みたいなものですからね。今度、シミュレーションの会合ありますから、先生よろしくね」とK部長。

 「はい。さー、今日もがんばろうかな」と自分自身に声をかけ、気合モードにスイッチを切り替え、手術室へ向かった。

丁寧に“手洗い”をしても…

 すでに主治医は手洗いを始めていて、手洗い場の奥の準備室では看護師さんが2~3人テーブルでノートに何やら記しているところが目に飛び込んできた。

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柴田 高

川崎医科大学卒業後、大阪大学論文博士課程修了。日本外科学会指導医。日本消化器外科学会専門医。現在は大幸薬品社長。著書に『カリスマ外科医入門』『肝癌の熱凝固療法』がある。


外科医のつぶやき

現在は製薬会社役員である外科医師による医療エッセイ。患者の知らない医師の世界。病院の内側が覗ける、ここだけの話が満載。

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