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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

自らのイノベーションの成果を
常時評価していくことによって
企業家精神を醸成する

上田惇生
【第331回】 2013年5月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「既存の企業が企業家精神を発揮するには、企業自らの業績評価に、イノベーションの成果についての評価を組み込まなければならない。企業家的な成果を評価して、初めて企業家的な行動はもたらされる。人も組織も、期待に沿って行動する」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』)

 自らのイノベーションを評価することは難しいことではない。行なうべきことは三つある。

 第一が、プロジェクトごとに、期待したものに成果をフィードバックすることである。このフィードバックの作業によって、わが社が得意とする分野が明らかになり、不得手とする分野が明らかになる。

 さらには、わが社が得意とするイノベーションの方法が明らかになり、不得手とする方法が明らかになる。

 人に得手不得手があるように、会社にも得手不得手がある。GMが買収による新分野への進出を得手とし、自己開発を不得手としていたのに対し、GEが自己開発による新分野への進出を得手とし、買収を不得手としていたことは定説である。

 人にせよ会社にせよ、得手とするものはどこまでもうまく行なえるものである。得手とするものを知らずしてイノベーションの打率を上げることはできない。

 第二に、イノベーションにかかわりのある活動のすべてを定期的に点検していくことである。イノベーションをめぐる内外の状況を、常時把握しておかなければならない。特に、何を推進し、何を修正し、何を諦めるべきかを知らなければならない。

 第三に、イノベーションの成果全体を評価することである。とりわけ同業他社との比較において評価していくことである。

 「既存の企業にとって、特に重要な意味をもつ問いが、イノベーションにおいて、リーダーシップをとっているかどうかである。あるいは、リーダーシップを維持しているかどうかである。リーダーシップは必ずしも規模に一致しない。それは、リーダーとして受け入れられること、基準の設定者として認められることである。従わされるのではなく、先頭に立つことである。これこそ、既存の企業の企業家精神に関わる最も重要な基準である」(『イノベーションと企業家精神』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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