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58歳の脱サラ人生に「悔いなし」。
アプリシアテクノロジー代表取締役&CEO 河合秀樹

週刊ダイヤモンド編集部
【第26回】 2008年4月4日
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アプリシアテクノロジー代表取締役&CEO 河合秀樹
アプリシアテクノロジー代表取締役&CEO 河合秀樹

 「親会社から株式を買い取って独立する。もちろんリスクはある。私の方針に賛同できる人だけ参画してほしい」

 2007年5月、アプリシアテクノロジー代表取締役&CEOの河合秀樹は、全社員にメールを送った。日本では、まだほとんど実例がない「MEBO」(経営陣と従業員による企業買収)の呼びかけである。 結果は、約100人の社員のうち30人が「出資」。「想像以上の反応に意を強くした」という。

 当時の社名はm・FSI。三井物産とクロリンエンジニアズ(三井物産の実質子会社)、米国のFSI社による合弁出資で、1991年に設立された。出資比率は三井物産・クロリンエンジニアズ合計で51%、FSI49%である。

 m・FSIは、半導体ウエハーの表面処理・洗浄装置メーカー。薬液も水も使わない「極低温エアロゾル洗浄システムANTARES CX」(3ページ目の写真参照)など、他社にはない技術開発力に強みがある。

 半導体市況サイクルのアップダウンを受けて、ウエハーの表面処理・洗浄装置の市場規模も年400億~650億円の範囲で激しく変動するが、「設立当初の3年を除けば赤字を出したことは一度もない」というほどの優良企業だ。

 そんな同社に転機が訪れたのは1年半前。三井物産が連結子会社を800社から200~300社に減らす方針を打ち出したのだ。きっちりと収益を稼いではいるが、商社本業の相乗効果は小さい同社も売却対象になった。

 河合にしてみれば、三井物産の方針は「渡りに船」。この前後から、すでにMEBOを検討しており、有志による社内勉強会も開いていた。

 「問題はFSIだった。FSIが物産の持ち株を全部買うとなったら、独立経営を目指す私の理念に合わない。FSIの100%子会社社長になる気はさらさらなかった」

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