世界大恐慌後の
時間軸と国債暴落

 下記の図表1は、今から12年前の拙著『国債暴落』 (注1)において、米国の大恐慌(1929年)後の道筋と、日本のバブル崩壊(1990年)が起点となった時間軸とを合わせて描いた概念図である。

 バランスシート調整に伴う調整は長期を要し、その道筋には類似性が生じるとの事例を米国の大恐慌の歴史的事例を参考にしたものである。12年前、日本の調整はすでに10年を超えていたが、米国の事例を振り返れば、一層の長期化が生じ得るとの認識にあった。

 米国の調整も大恐慌発生から22年で完了したなか、現段階でも日本は調整完了に至っていない。過去12年を振り返れば、2007年まで日米の調整のペースは比較的同じ時間軸で進んでいたが、米欧の2007年から6年のバランスシート調整で、日本の調整進展の断絶が生じた。

日本の債券市場も
管理相場化に

 筆者の認識は、日本は2007年から6年の足踏みを経て、米国の1945年「ペギング」の局面、すなわち図表1の「構造改革(第2期)」として国債管理政策が新たな次元で強化される管理相場の局面になったと考える。

(注1)「国債暴落」(高田創・住友謙一 中央公論新社 2001年)