具体的な「朝の三択」の手順とダブルフレーミング

 それでは、これから具体的に「朝の三択」の手順を書いていく。
 まず、A4の紙を1枚用意する。
 A4の紙でなくてもかまわないが、小さな手帳に書くのではなく、比較的、大きな紙をお勧めする。
 大事な「儀式」なので、チラシの裏紙などを利用するのはやめよう。
 そしてキッチンタイマーで「2分」をセットする。

 このときも、携帯電話やスマホなどのアプリを使って時間を計測するのはお勧めしない。
「朝の三択」が終わるまでは、このような外部のネットワーク機器に電源を入れないようにしてほしいからだ。
 これは、あなたをノイズから遮断するためである(本書にある「ノイズキャンセリング仕事術」を確認いただきたい)。
 タイマーで時間をセットしたら、気持ちを落ち着け、深呼吸を2度、3度としてからいよいよ「朝の三択」を始める。タイマーのスタートボタンを押してみよう。
「2分」以内でこの儀式は終了する。

 まず、真っ白な紙に、「絶対達成」したい目標値と期限を書く。
 今回の事例で言うと、「11月にTOEICテストで750点以上をとる」だ。

 そして、ノープラン、チャレンジプラン、ビッグプランを上から順番に書いていく。

●【ノープラン】週に1度、参考書で10分勉強
●【チャレンジプラン】週2回、駅前の英会話スクールへ通う
●【ビッグプラン】4月から半年間、アメリカへ海外留学

 すばやく書いていく。
 ここまでで1分もかからないはずだ。アレコレ考えることなく、「思考ノイズ」が入らない状態でやる。

 次に、「ダブルフレーミング」だ。
 ひとりで「儀式」をする場合は、「第三者の眼」を意図的に設定する必要がある。
その「第三者の眼」の役割を担ってくれるのが「ダブルフレーミング」というテクニックである。

 ダブルフレーミングとは、そのプランを選択することにより、うまくいく確率(成功率)と、うまくいかない確率(失敗率)の両方を数値的に表現することである。
「うまくいく確率は何%か?」
「どれくらいの確率で失敗するのか?」
 と、片方からではなく、両方の側面からそのプランを評価するのだ。
 これを「ダブルフレーミング」と呼ぶ。
 このダブルフレーミングを使うことで、直感に頼った意思決定ができなくなり、より冷静に判断できるようになる。

 それぞれのプランをダブルフレーミングし、「うまくいく確率/うまくいかない確率」を円グラフで表現する。
 これは深く考えることなく目安でいい。
 うまくいくのかどうかは、たとえそのプランの専門家であっても完全に予測することなどできない。自分の感覚で書くのだ。
 実際にダブルフレーミングすると、自分で書いているにもかかわらず意外な数字が出てくることが多々ある。