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人の活力で差別化を実現した居酒屋
てっぺん社長 大嶋啓介

週刊ダイヤモンド編集部
【第16回】 2008年1月25日
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てっぺん 社長 大嶋啓介
てっぺん 社長 大嶋啓介

 「いまや飲食店がおいしいのは当たり前。立地や内装も皆が注力する。だから最後には“人”こそ最も差別化できる」

 居酒屋チェーン「てっぺん」を率いる大嶋啓介。30代半ばの若き社長の言葉を裏づけるように、てっぺんの店舗スタッフには「活力」が満ち溢れている。

 活力といっても、単に従業員が大声を張り上げたり、また過剰な接客があるわけではない。チャレンジ精神や向上心を持った人間が醸し出す「前向きなエネルギー」がほとばしり、それが来客につながっているのだ。

 この客を呼べる「人」や「雰囲気」をつくり出すのが社長である大嶋の仕事である。大嶋は、あえてそのノウハウを公開、評判が評判を呼び講演や講師依頼も増え、業界では知る人ぞ知る経営者となった。

 人材に対する大嶋の経営手法は、飲食業界では異端そのものである。たとえば、店舗従業員に占める社員の比率。てっぺんは、なんと8割に達しており、2割でも高いとされる業界水準と比べると、驚異的な数字といえる。慢性的な人材難の業界において、「日本一時給の安い店」と大嶋自ら言い切るほどの待遇にもかかわらずである。

 それでも集まるのは、「将来、独立するための修業の場を与えてくれる」という話が、夢を持った若者に口コミで広まったからだ。だから「人材募集広告は実験的に出した1回だけ」。性善説を徹底的に信じるので不採用もゼロだ。立地もよくないが、「固定ファンがつく」と意に介さない。

 見るからに豪放磊落で、体育会系のノリの大嶋。子どもの頃は野球少年で、全国大会にも連続出場するほど本格的にのめり込み、少年時代のイチローとも対決したほどだ。ところが、意外にも活力や社風の源はこうした体育会系の経験ではなく、社会人になってからの挫折と、そこから立ち直った経験だという。

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