特集 Biz.China 中国ビジネス最前線
China Report 中国は今
【第10回】 2008年10月16日
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姫田小夏 [ジャーナリスト]

「所詮、中国」の意識から抜け出せず
上海進出で成果を出せない日本企業

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 「そこに書かれているのは、特段、驚くべき戦略ではない」と東京のビジネススクールでマーケティングを担当するアメリカ人講師は指摘する。彼らが行ったのは、マーケティングの入門書に書かれているような、ごくシンプルな原則だ。「どんな商品を、誰が、どうやって買うか」。同社ローカルスタッフ(つまり日本人)が、これを忠実になぞった結果、「Product Innovation」を日本市場にもたらした、というわけだ。今でこそ、競合商品が存在するが、2003年には実に1500億円を売り上げるに至ったと言う。

国内にしか目が向かない
日本企業は海外で通用しない

 日本企業に見られる顕著な傾向がある。商品については「うちでは昔からこうと決まっている」、販売については「いずれ口コミで広がるから」と言うもの。これらが上海市場で通用しないことは、最前線でビジネスに携わる現地駐在員であれば骨身にしみてわかっている。

 「日本企業が上海で勝てない理由、それは日本国内だけにしか目が向いてないことにあります。組織のあり方、幹部の力量、リサーチやマーケティング力が世界に通用しないこと、これにいまだ気づいていません」

 折りしも、経済産業省が所管する産業構造審議会基本問題検討小委員会が今年7月、「知識組替えの衝撃 ~現代の産業構造の変化の本質~」という報告書を提出した。その中で、グローバル化が進展しつつも、「ファッション、日本料理、伝統工芸、アニメなどの『ジャパン・クール*2』はビジネスに結びついていない」と指摘しているのは大変興味深い。

 国を挙げてこれほどの仕掛けづくりをしながらも、結果、絵に描いた餅に終わる可能性はないとは言えない。上海市場について言うならば、「日本ブランドなら出せばいくらでも売れる」と言う、売り手側の勝手な幻想が成功を妨げていると言える。「所詮、中国」はもはや通用せず。時代と市場を読み間違えれば、そこには敗退という結末しか用意されていない。

【筆者注】
*1 「J@pan Inc」は海外市場向けに日本のビジネス情報を伝える英文情報誌。
*2 『ジャパン・クール』は、ファッションやアニメ、ゲーム、食など日本の文化をビジネスにつなげる活動。一部が外国で人気を集め、ブームになっている。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

東京都出身。92年より上海との往来を始め、97年から10年超上海に居住。99年に上海、02年に北京で日本語フリーマガジン「SUPERCITY」を創刊、編集長として姉妹誌含む3誌の発行に携わる。「週刊エコノミスト」「日刊ゲンダイ」、大阪府日中経済交流協会機関誌「上海経済交流」で数年にわたり連載。現在、東京-上海を往復しながら執筆中。姫田氏ブログ>姫田の「ズバッ!と上海」


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ビジネス・流行・社会問題など、日本人にとって無関心ではいられない中国の最新動向を追う。長年、上海において現地の日本人社会、日本人のビジネスに警鐘を鳴らし続けてきたジャーナリストによるレポート。

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