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6月4日 18時0分
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1ドル100円割れ〜円高は続くのか?〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

昨晩(6月3日)の海外市場で、ドル円相場は100円を割れると円高が加速、一時1ドル98円台まで動いた(グラフ参照)。ほぼ同時に、ユーロドルも再び1.3台まで上昇する、ドル安となっている。きっかけは、米国の重要指標である5月のISM製造業景況指数の下振れである。


昨晩、FRBの量的緩和縮小観測で上昇していた米長期金利が、ISM指数発表後に0.1%も低下するなど債券が買い戻された。先月のマーケットの歩き方「相場変動の主因は、日銀からFRBへ」でも述べたが、為替市場を中心に相場変動の主役は米FRBの政策を巡る思惑に移り、それが大きく揺れ動いていることが、ドル円相場を動かしている。

1ドル100円を超えた時に執筆した5月10日レポートでは、多数派ではない米連銀高官のタカ派的な発言に対し市場が過剰に反応し、100円を超える円安ドル高が進んだと紹介した。このレポートの結論は、「1ドル 100円を突破したから円安に拍車がかかる、というのは一見もっともらしい見方だが、今はそのシナリオに対して懐疑的に考えた方が良い」だった。

米国の経済指標は強弱入り混じっており、FRBの「早期の緩和縮小」に傾いた市場心理は、再び逆方向に振れる可能性があると考えたからである。こうした意味で、重要指標の悪化に対してドル円相場が昨晩は相応に動いたわけだ。

一方、米国経済全体が、昨年までのように夏場に大きく減速している兆候はない。今後も、米国の消費、住宅の復調が世界経済の回復を支えるとみられる。ただ、緊縮財政の影響が最もあらわれる4―6月期は、米経済のモメンタムが一番弱くなる。更に、インフレ率低下が続いており、米FRBの緩和縮小観測は高まりづらい。

4月26日レポートで述べたが、FRBの中には、ディスインフレ(インフレ率の低下)の「リスク」をかなり警戒しているFOMCメンバーも多い。バーナンキ議長を中心とした主流派がそうした立場に近いので、FRBによる量的緩和の更なる拡大が再び議論になる可能性もある。

この夏場は、FRBの政策を巡る思惑が引き続き揺れ動き続けるのではないか。ドル円相場も、方向がはっきりしない1ドル100円前後でのレンジ相場を想定している。

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(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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