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【J.フロント リテイリング】
顧客層拡大と効率化で抜群の利益率を計上
課題はMD力の強化

週刊ダイヤモンド編集部
【第120回】 2013年6月14日
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市場縮小が続く百貨店業界にあって業績好調だ。脱百貨店を掲げて集客力がある大型テナントを誘致し、さらに人件費などを削減して効率化を図った結果、利益率で他社を引き離している。

 大丸と松坂屋を傘下に持つJ.フロント リテイリングの業績が回復している。

 今年2月期の売上高は前年同期比16.1%増の1兆0927億円と、リーマンショックがあった2009年2月期の売上高(1兆0966億円)とほぼ同水準にまで回復した。さらに営業利益は前年同期比42.9%増の308億円と、今年度を最終年度とする中期経営計画の目標値である300億円を前倒しで達成した。

 百貨店主要5社(J.フロント、三越伊勢丹ホールディングス、そごう・西武、高島屋、エイチ・ツー・オー リテイリング〈H2O〉)で、J.フロントを除けば、売上高で前年を上回ったのは高島屋(前年同期比1.2%増)とH2O(3.9%)で共に微増。営業利益では三越伊勢丹(11.8%増)、高島屋(20.7%)、H2O(7.2%)の3社だが、J.フロントの好調ぶりは突出している。

 業績回復の理由の一つは、昨年8月にTOB(株式公開買い付け)で子会社化したファッションビル運営大手のパルコの貢献である。パルコによる増収効果は約1400億円に上った(図(1))。

 今年度の業績見通しは売上高が1兆1500億円(前年度比5.2%増)、営業利益は400億円(29.6%増)と、さらに強気の計画を立てている(図(2))。

 百貨店業界の販売額は1991年度の約9兆7000億円から昨年度は約6兆1000億円と約4割も減少している。こうした厳しい経営環境にあって、J.フロントの業績が回復しつつある背景には、同社が取り組んできた「脱百貨店改革」がある。

 その柱の一つが、テナント収益による不動産業へのシフトだ。

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