8716億円の公的資金を5年以内に完済する計画を発表した、りそなホールディングス。東社長に、今後の戦略を聞いた。

りそなホールディングス社長 東 和浩 <br />再編は顧客にとって迷惑 <br />傘下銀行の統合はしないPhoto by Kazutoshi Sumitomo

──「公的資金の完済」だけを考えていればいい時期が終わりつつあると思うのですが。

 いやぁ、それは本当にそうなんですよ。要するにね、これから5年かけて完済するっていう宣言をすること自体がとても重要だったんです。特に社員向けに。完済を待つんじゃなくて、今の段階からモードチェンジしていかなくちゃいけないということなんですよ。

──具体的には?

 この4月、社長に就任して言ったことが三つある。一つ目はりそなイズムを承継してそれを深化させていこうということ。二つ目は新しい金融サービス業としてのビジネスモデルを確立しようということ。そして三つ目は連結経営をさらに進化させていこうということ。三つ目に関しては、法人格はいじりませんとはっきり言った。

──傘下銀行(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行)の統合はしないということですか?

 地域だとかお客さまが、それぞれ三つの銀行で違うんですよ。だから営業スタイルも違うわけです。それなのに、銀行の都合で勝手に再編したりしてお客さまに迷惑かけるなんていうことはやらない。

 しかし、舞台裏はどんどん一緒にしていく。例えばもうシステムは一緒なわけですが、微妙に違うところがある事務も統一します。

 人材の流動化も徹底的にやっていきたい。実は今年の7月からグループの人事制度も全部一緒にします。それの何がいいかというと、いろんな地域のマーケットと取引先を知ることができるってことです。グループ600店の店舗網を生かしてお客さまにどんどん新しい情報を提供していくことが、結局一番のサービスですから。