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6月20日 18時0分
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ドル高円安への回帰〜バーナンキ議長の自信〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


昨晩(6月19日)判明したFOMC声明文では、下振れリスクが小さくなっていると経済環境へのポジティブな評価が示され、そしてバーナンキ議長は「2014年半ばにかけて債券購入規模を縮小させる」という見通しを明言した。

もちろん、バーナンキ議長が示した量的緩和縮小は、2%を上回る成長そして雇用回復が続くというFRBの想定どおりの経済状況が続けば、という前提がついている。今後の経済情勢次第で、債券購入規模を縮小、あるいは再び拡大させる、というスタンスは声明文でも引き続き明示されている。

6月18日レポートで、量的金融緩和縮小について議長は具体的に予見せずに、「経済指標次第」であることだけ言及するのではないかと、の筆者の見通しをお伝えした。この筆者の予想は外れ、バーナンキ議長は、現在の経済環境が続くことを前提に、債券購入(量的金融緩和策)を段階的に縮小させるプランを明示した。

最近のインフレ率低下(海外経済の停滞が一因)、製造業の景況感悪化などから、景気回復が続くとしても、無視できない景気減速リスクがあり、「緩和縮小」のスケジュールを明示するメリットは小さい、と筆者は判断した。バーナンキ議長が、昨晩この点にはっきり言及したのは、国内経済回復の持続性について、より強い自信があるということだろう。

あるいは、市場では、量的金融緩和縮小を巡る様々な観測が入り乱れていた。先週から、米国金利とドル円の動きが乖離していたが(6月14日レポート)、FRBの政策に対する不確実性の高まりがもたらしていた面があった。量的緩和縮小の見通し、そしてそれが何を意味するかを明示して、市場が抱く不確実性を小さくするメリットがあると判断したのかもしれない。先週から度々ちぐはぐな動きを示していた、米債券、為替市場において、米金利上昇、ドル高と両市場の方向が一致する格好で反応した(グラフ参照)。


一方バーナンキ議長は、量的金融緩和の「規模縮小」の見通しを示すと同時に、この政策自体は、経済成長やインフレを抑制する「引締め政策」ではない点を強調した(FRBのバランスシートは増え続ける)。今回同時に示された、FOMCメンバーの政策金利見通しをみると、2015年時点の政策金利の想定は若干高まった(景気判断が楽観的なことと整合的)が、来年2014年中は政策金利をほぼゼロに据え置く、「マイナス実質金利」を続けることを示した。

FRBが目指す、完全雇用である失業率(5〜6%)はまだまだ先で、景気刺激効果をもたらす、「緩和的な」実質金利を保ち続け、経済成長を促すスタンスは続けるということである。

4―6月のGDPは緊縮財政の影響で停滞するが、7月以降の雇用や景気指標が堅調な回復を示せば(その可能性は高いと考えている)、バーナンキ議長が本日示したように9、10月のFOMCにおいて、債券買取規模の縮小が決定されるだろう。

今後、FRBの金融緩和縮小が意識される一方、日本銀行による大規模な量的金融緩和は2014年中も続くことになる。5月半ばからドル円相場は荒っぽい展開が続いているが、米日の金融政策の相違を反映する格好で、秋口にかけて再び1ドル100円を超える円安が進むと予想する。

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(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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